- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県養父市
- 広報紙名 : 市広報やぶ 2025年10月号(第259号)
■「名前は異文化理解の第一歩」
来日してから最もよく聞かれる質問の一つは、私の「セサル・アルベルト・ロメロ・マリン」というフルネームについてです。多くの日本人の方々はこの長さに興味・関心を持つようです。
世界的にも珍しいのですが、スペイン語圏では、ファーストネーム、ミドルネーム、そして2つの姓を含む長い名前が一般的です。「アルベルト」のようなミドルネームの命名は任意ですが、多くの人が持っています。家系名は、多くの場合「父親の姓」と「母親の姓」の2つの姓を受け継ぎます。通常は「父親の第一姓」+「母親の第一姓」の順になりますが、法律では定めがないので好きな順番を選ぶことができるのも面白い点です。
スペインから伝わった二重姓制度は、子がすべての血筋からきているという考えに基づき、父親だけでなく母親の家系も等しく重視するという価値観を反映しています。そのため、日本の「夫婦同姓」とは異なり、夫婦が別の姓を持つことも多いです。
一方、二重姓は、姓が1つしかない国である日本での日常生活に影響があり、特に行政事務上の煩わしさとなることはよくあります。2つの姓が1つに省略されたり、ミドルネームと姓が間違えられたり、ハイフン(-)で接続されて複合姓のように扱われたりされます。それでも、手続きの際などに、興味深く、優しく対応していただく皆様にはとても感謝しています。
