- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県丹波市
- 広報紙名 : 広報たんば 2025年11月号
■丹波の自然と文化は「住民共有の財産」すばらしい地域を未来へとつなぐために
幾重にも連なる山々とのどかに広がる田園風景。総面積の約75%を森林が占める丹波地域は、「丹波の森」と呼ばれ、美しい自然景観や特色ある伝統文化が大切に受け継がれてきました。
◇宣言から30年以上つづく丹波ならではの森づくり
昭和62年‐。当時、丹波地域には、JR福知山線の複線化や舞鶴自動車道の開通、ホロンピア88の開催など急激な都市化の波が押し寄せ、開発が進もうとしていました。そのような中、丹波地域の自然や文化、人のつながりなど、地域の大切な財産を守りながら、人と自然と文化が調和した丹波らしい発展をめざして、河合雅雄(まさを)氏らにより「丹波の森構想」が提唱されました。
この想いに、2万1,616世帯が賛同し、丹波の森1,000人大会で「丹波の森宣言(※1)」を採択。以来、まちづくりにおける大切な指針として、丹波ならではの森づくり(=地域づくり)が行われ、宣言から30年以上が経過した今も、豊かな自然や農村環境、美しい景観、人々の営みなどが大切に受け継がれています。
◇未来へとつなぐための「丹波の森創造プラン」
丹波地域では、平成19年に、人と野生動物と自然の調和と共存をめざして兵庫県森林動物研究センターが開設され、桜づつみ回廊やたんばオープンガーデン、街角コンサートなど、景観を守り、人と自然が調和した住民主体の地域づくりが行われてきました。
しかし、野生動物との共生や環境破壊が大きな社会問題となっており、丹波の森づくりの理念は、今後ますます大切になってくると思われます。そこで、「丹波の森宣言」や森づくりへの想いをみんなで共有し、未来へとつなぐため、丹波の森協会では「丹波の森創造プラン(※2)」をまとめました。これからも、すばらしい地域を子どもたちに継承するため、みんなで丹波の森づくりに取り組んでいきましょう。
地方創生やSDGsの言葉すらない時代に、このような考え方が取り入れられたことはとても画期的で、現代の地方創生の先がけとも言われています。
■丹波の森宣言(※1)
人と自然と文化の調和した地域づくり
丹波の自然と文化は、現在及び将来にわたる住民共有の財産であって、これを維持発展させることは私たちに課せられた重大な責務です。今、私たちはこの責務を強く自覚し、お互いに力を合わせ、自然や文化を大切にしながら、これらを生かした「丹波の森」づくりを、次のように進めることを宣言します。
1.丹波の健全な発展をそこなうような自然破壊は行わず、森を大切に守り育てます。
2.丹波の自然景観を大切にし、花と緑の美しい地域づくりを進めます。
3.丹波の文化景観及び歴史的遺産を大切にし、個性豊かな地域文化を育てます。
4.丹波の素朴さと人情を大切にし、安らぎと活力に満ちた地域づくりを進めます。
昭和63年9月採択
■「丹波の森創造プラン」で未来へつなごう(※2)
30年以上にわたって行われてきた「丹波の森」づくりをさらに推進し、未来へとつなぐため、「丹波の森創造プラン」にまとめました。
◇宣言1
丹波の健全な発展をそこなうような自然破壊は行わず、森を大切に守り育てます
(1)丹波らしい土地利用
(2)山を守り育てる
(3)川や水辺を守り育てる
(4)農地を守り育てる
(5)野生動植物と共生する
◇宣言2
丹波の自然景観を大切にし、花と緑の美しい地域づくりを進めます
(6)丹波らしい景観形成を進める
(7)自然を体感する
(8)丹波の景観を楽しむ
(9)花を飾りもてなす
◇宣言3
丹波の文化景観及び歴史的遺産を大切にし、個性豊かな地域文化を育てます
(10)文化歴史を大切にし、広く発信
(11)恐竜が生きた大地
(12)芸術・文化・スポーツを楽しむ
◇宣言4
丹波の素朴さと人情を大切にし、安らぎと活力に満ちた地域づくりを進めます
(13)もりびとになってふるさとを元気に
(14)丹波ブランドを育成
(15)丹波ファンを拡大、交流促進
(16)国際化に対応
(17)安心安全な地域づくり
(18)集落に暮らし、未来につなぐ
問合せ:公益財団法人 兵庫丹波の森協会
【電話】73-0933
