子育て 教育さよう 第54号

◆小中連携 創自レクチャー
◇掃除から心を鍛える「創自(そうじ)」の取り組み
佐用中学校で受け継がれる「創自」の精神。それは、掃除をただの作業ではなく、心を鍛える大切な時間とする取り組みです。この伝統を後輩たちにも受け継ごうと、佐用中学校の生徒が佐用小学校を訪問し、掃除の仕方やコツを伝えました。

「階段は下の段に立って掃くといいよ」「こんな場所にもゴミがたまるんだよ」。中学生のお兄さんやお姉さんの優しい声が、学校中に響いています。
佐用中学校では、掃除を「やらされる」ものではなく、自ら進んで心を込め、一生懸命取り組むことで心を鍛える「創自」の活動を行っています。この「創自」は代々受け継がれ、生徒たちが会話を控え、黙々と掃除に励む姿がすっかり伝統として根付いています。
12月5日に、教育委員会が進める小中連携活動の一環として、佐用中学校の生徒41人が佐用小学校を訪問。掃除の仕方やコツを小学生たちに伝えました。中学生からの教えを真剣に聞く児童たちは、いつも以上に意欲的に掃除に取り組んでいました。
佐用中学校から始まった「創自」の取り組みは、今では他の学校にも広がりを見せています。今後も学校間で連携し、「掃除」の大切さを通じて、自ら考え行動する自主性を育む教育をめざしていきます。

◆部活動で活躍を見せる
◇三日月中ソフトテニス部が近畿大会に出場の快挙
少子化の影響で部活動が思うようにできない厳しい状況の中、三日月中学校ソフトテニス部の伊藤海人(かいと)さんと松尾僚星(りょうせい)さんが、西播大会での優勝を皮切りに、県大会でも見事5位入賞を果たし、「近畿中学校ソフトテニス選抜インドア大会」への切符を手にしました。

三日月中学校ソフトテニス部2年の伊藤海人さんと松尾僚星さんは、1年生の頃からペアを組み、「西播ベスト4」を目標に日々練習に励んできました。
しかし、秋の新人大会直前の悔しい敗北で、「このままではいけない」と奮起。「基礎練習に立ち返り、大会まで全力で練習しました」と振り返ります。その結果、自分たちの目標を大きく超え、西播大会で見事優勝を果たしました。
その勢いのまま挑んだ県大会では堂々の5位入賞を果たし、近畿大会出場権を獲得。迎えた大会では、松尾さんが体調不良のため出場を断念するアクシデントがありましたが、代わりに日ごろから練習を共にしてきた阿曽煌史郎(おうしろう)さんが出場しました。試合に挑んだ伊藤さんと阿曽さんは「強豪相手に全力を出すことだけを目標にした」と、全力プレーで1勝を挙げる健闘を見せ、大きな経験を得る大会となりました。
3人は、「最後の夏の大会では、これまで以上の結果を残せられるよう、さらに練習に励みたい」と力強く語りました。

◆photo レポート
◇伝統文化わくわく体験教室
(三日月中学校)
2年生が家庭科で浴衣の着付けをして、茶道の体験をしました。

◇PTA 親子ふれあい行事
(三日月小学校)
オーケストラの生演奏を親子で鑑賞し、心いやされるひと時となりました。

◆主体的に学ぶ教室の原点
教育長 浅野博之
今、教育現場で使われるキーワードの一つに「主体的・対話的で深い学び」があります。この言葉は、子どもたちが授業や教育活動を通じ、どのように学んでいくのかを示しています。簡単に言うと、自ら積極的に学びに参加し、他者と意見を交わしながら自分の考えを深めていく過程を意味します。
先日、新聞記事に「教室はまちがうところだ」という懐かしい言葉を見つけました。記事には詩の一部が紹介されていました。
〈教室はまちがうところだ みんながどしどし手を上げて まちがった意見を言おうじゃないか〉〈ああじゃないかこうじゃないかと みんなで出しあい言いあうなかでほんとうのものを見つけていくのだ そうしてみんなで伸びていくのだ〉
この詩は57年前、ある教師が学級を活気づけるために作ったものです。まさに「主体的・対話的で深い学び」そのものです。どんな時代でも、主体的な学びが実現し、教室が活気にあふれ、子どもたちが学びの楽しさを感じることが教育の基本だと改めて感じさせられる詩との再会でした。

問い合わせ:教育課
【電話】82-2424