- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県新温泉町
- 広報紙名 : 広報しんおんせん 令和7年9月号 vol.240
■合併20年と可能性
新温泉町の魅力は何と言っても豊かな自然です。特に町名に代表される「温泉」です。浜坂温泉、七釜温泉、湯村温泉、二日市温泉など春来川と岸田川に沿ってそれぞれ泉質の異なる温泉が湧いています。そして北は日本海に面し、漁港は東から三尾、浜坂、諸寄、釜屋、居組まで5漁港あり、魚の町浜坂の象徴となっています。「ホタルイカ水揚げ日本一」です。
南では牧場公園を中心に、その育成システムが世界農業遺産に認定された但馬牛の繁殖が盛んに行われています。子牛の価格は平均100万円前後で国内の「市場価格は日本一」です。まさに海、山、温泉の自然に恵まれ、発展可能性豊かな素敵な町です。持つ力を生かし切ることが町の未来を拓いていきます。
■駅前整備
駅前から浜坂北小学校までの道路整備がほぼ終了しました。今後の予定は、令和10年度を目標にJRの線路を跨いでいる小学校前の横断歩道橋を撤去し、踏切の両側に歩道を作る計画になっています。
駅前整備については、これまで2回ワークショップが開催され、参加者から様々なご意見を頂いています。ワークショップのメンバーは、公募の一般住民7名のほか、観光協会、駅前商店街、浜坂自治区など約20名近い方々に参加していただきました。論議の中心は、駐車場、トイレ、バス・タクシー・一般の車の送迎場所、横断歩道の在り方などです。町が考えた図面を基本に検討してもらっています。年内に方向性を打ち出し、令和10年度開通予定の浜坂道路II期工事の開通に合わせて整備を進める予定です。
■少子化の影響
少子化の進行は、国の政策すべてに大きな見直しを迫っています。医療、介護、教育(学校統合・大学の経営難など)、農業、集落の在り方、交通の便、買物難民、あらゆる産業における人手不足、空き家の増加、独居世帯の増加、駅前商店街のシャッター通り、年金制度、国民健康保険制度などあらゆる面に及んでいます。
新温泉町に約10年前ドラッグストアが進出しました。その後、浜坂地域に昔からあった薬屋さんが3店舗廃業しました。ホームセンターの出店もあり、もともとあった町内のホームセンターも閉店するなど、ほとんどの小売店が閉店に追い込まれてしまいました。後継者は仕方なく仕事を求め都会へ出ていきます。昔は大学を出ても親の仕事を継ぐために地元に帰る人もいましたが、今は、事業継承が難しい場合もあり、継承や譲渡の在り方が課題となっています。
■地方の大型店舗撤退
地方では多くの駅前商店街がシャッター通りになりました。賑わいは郊外の大手全国チェーンの店舗にあります。少子化の主な原因の一つは、過度な国による規制緩和により、小売店が減少したことにあると思います。最近は、地方の人口減少が招く売上減少により、大手量販店は地方の店舗を次々と閉店しています。最後は自分たちの営業成績に降りかかってきたのでしょうか。小泉改革以降、規制緩和という競争社会の出現により弱肉強食が進展し、格差と貧困が増加しました。地域に合った大型店舗の在り方が必要です。
新温泉町長 西村銀三
※「こちら町長室」の動画(CATV版)は、町動画配信サービスでご覧いただけます。