くらし 議会だより 令和7年 第4回 山添村議会定例会の結果(4)

〔質問〕大谷敏治 議員
▽熊対策について
1.多くの自治体で緩衝地帯の整備に取り組み、被害の軽減と生態系の調整を図っている。柿など放任果樹については鳥獣被害を引き起こす要因といわれる。放任果樹の伐採などを事業として位置づけ計画的に取り組むべきと考えるがわが村のご見解をお伺いしたい。
2.鳥獣保護管理法の改正を踏まえ、捕獲体制の強化が急務であると考えるが、住民の命に直結する問題である以上、机上の計画にとどまらず、どのように現場での実効性を確保するのか、わが村のご見解をお伺いしたい。
3.熊の苦情は動物愛護だけでは語れない複雑な背景がある。苦情対応に備えた体制の整備が必要であると考える。よくある質問や誤解に対する説明を整理した資料を事前に作成し職員が迅速かつ冷静に対応できる環境を整えるべきであると考えるが、わが村のご見解をお伺いしたい。

〔答弁〕野村 村長
柿などの放任果樹は熊を引き寄せるものと認識している。
今年5月に、車のドライブレコーダーに熊が撮影された際に、熊対策として誘引物となる柿や野菜ゴミなどは撤去に努める旨を記載したチラシの配布や村の情報アプリで注意喚起を行っており、村民の皆様には熊や動物をおびき寄せる基となるものの除去に努めていただくようお願いする。なお、木の伐採の事業化であるが、国が来年度予算にて交付金事業化する方向性を確認しているので、国の支援を受けて事業化を検討したいと考えている。
次に、鳥獣保護管理法改正への対応及び熊駆除に関する体制の整備については関連する内容となるので、併せてお答えする。ツキノワグマは、奈良県の保護管理計画に基づきこれまで個体数を維持するために狩猟することを禁止し、保護する動物として、捕獲しても殺処分せず人間に慣らす学習をさせてから再度、山に戻すとされてきた。しかし、今年度の全国的な出没数や人身被害の増加から、銃を使用して現場で直ちに市町村の判断で捕獲する「緊急銃猟」制度が今年9月に法改正にて整備された。これを受け県も存在しないとされてきた本村等での個体確認なども考慮され、狩猟禁止は維持しながら、人への被害や農林業被害防止のため、集落内や農地などの「集落ゾーン」においては、一定条件を満たす場合は殺処分とする方針と変更が行われた。国も、熊総合対策として緊急銃猟に対する実施経費全般を支援する交付金事業を令和8年度に予算化する方向で進められており、村はそれを活用して次年度の熊が食料確保に動き出す秋までに本格的な体制構築を目指したいと考えている。ご指摘の通り、村民の命に直結する問題であり、体制構築は急務であるとの認識から、奈良県猟友会山添支部とも話し合いの場を持ち、有事の際への協力依頼と体制構築に向けた課題等について意見交換行っている。ハンターの皆様からは、熊という危険鳥獣への発砲経験がないことや、駆除作戦が未確立であること、所持している銃の性能が熊に対応できるのか不確実などの懸念が出され、対策を実施する側の安全にも万全を期した体制構築の必要性を改めて認識しているところである。そういった観点を総合的に網羅した体制を整えるためには国等の支援や、専門家の支援が必要と考えているが、現在、国や県からは、駆除作戦を明記した対応マニュアル等の指導などがない。近隣市町村におかれても現在、暫定的な対応規定を作成する動きを進められている途中と伺っており、優良先進事例の提供等の協力を得ながら、管轄の天理警察署や、猟友会山添支部とも協議を継続し、隣接市町村と歩調を合わせて暫定ではあるが対応規定を作成し、有事にも対応できる体制を早期に整えるよう進めてまいるので、誘引物となる放任果樹の採取や野菜ゴミ等の除去の徹底などについて引き続きご協力をお願いする。