文化 五輪塔(ごりんとう)/摩崖仏(まがいぶつ)

■五輪塔(ごりんとう)

場所:山添村大字西波多(にしはた)(下津(しもづ))
年代:正中2年(1325)
説明:鎌倉時代の作で、「郷塔(ごうとう)」と呼ぶ大きい五輪塔が山添村内に9か所あります。そのうちのひとつが西波多(下津(しもづ))善成寺(ぜんせいじ)にあります。銘文は不明ですが、正中2年に他の五輪塔と同時に造立されたと考えられており、昭和41年9月20日村指定有形文化財に指定されています。
郷塔と呼ばれる大きい五輪塔は、春日(かすが)、大西(おおにし)(極楽寺(ごくらくじ))、菅生(すごう)(西庵(にしいおり)、にしなん)、上津(かみづ)(増福寺(ぞうふくじ))、下津(しもづ)(善成寺(ぜんせいじ))、中峰山(ちゅうむざん)(墓の入口)、中之庄(なかのしょう)(小丘の頂上)、広瀬(ひろせ)(西迎寺(さいこうじ))、片平(かたひら)(浄明寺(じょうみょうじ))にあります。
五輪塔は円と角を組み合わせ、密教(みっきょう)でいうところの空・風・火・水・地の5つの要素を表現した塔で、複雑な立体面が調和(ちょうわ)して独特の美しさがあります。

■摩崖仏(まがいぶつ)

場所:山添村大字遅瀬
年代:室町時代後期
説明:大きい自然岩に正方形の枠を彫りだし、その中に仏像を多数彫り出しています。向かって左には真言宗の墓地によく見受けられる六地蔵を表した六体の地蔵像が彫られています。右側の大きい枠には四段にわたって26体(内1体は滅損(めっそん))の像が彫られています。像と像の間にはその像の種子(しゅじ)(密教では仏尊(ぶっそん)を象徴する一音節の呪文)が陰刻(いんこく)されています。これも十三仏らしく、上下二段にわたって十三仏が二様(によう)に表されてます。十三仏とは亡くなった方を浄土に導く守護仏(しゅごぼとけ)です。