くらし 尽きない熱い想い 三宅町民表彰受賞(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県三宅町
- 広報紙名 : 広報みやけ 令和7年5月号
町では、三宅町のために貢献され、功績が特に著しかった方に対して、その功労を称え三宅町表彰制度を設けています。
この度、受賞されました置本佳司さんに、十五年という長きにわたり三宅町商工会会長としてご尽力いただいた産業・経済の振興発展などについてお話を伺いました。
■置本佳司(おきもとけいじ)さん
▽主な経歴
[平成21年5月~令和6年5月]三宅町商工会会長
[平成30年]旭日単光章受賞
[現在]
・奈良県商工会連合会相談役
・三宅町商工会顧問
・忍性さんの会会長
・上但馬自治会会長
○受賞おめでとうございます。町民表彰を受賞されたお気持ちや感想をお聞かせください。
長年、会長職を務めたことへの表彰ということですが、私は自分にできることをできる限りやってきただけなので、受賞はありがたいと思っていますが、このように表彰という形でいただくことに恐縮しています。
○長きにわたり会長を務められたのは、何らかの理由での後継者不在や、周囲から「もう少し続けてほしい」という声があったと伺っております。
みなさんがそのように思ってくださっていたのなら、自分がやってきたことは大きくは間違っていなかったとうれしく思います。
実は、当初から会長職を引き受けるつもりは全くありませんでした。前会長の植田康史さんは町議会議員であり、町のために尽力されていました。その方の後を継ぐなんて、自分には無理だと思い固辞していましたが、事務局やいろいろな方の依頼があって、結局、お役に立てるならと引き受けることにしました。
○会長職としての取り組みで大切にされてきたことは?
最初は、会員のことをほとんど知りませんでした。当時の会員は百五十〜百六十人くらいいたと記憶していますが、実際に顔と名前が一致するのはせいぜい三十人くらいでした。そこで、まずは会員のことをよく知ることから始めました。
ほぼ毎日商工会へ出向き、問題があることは事務局任せにせず、しっかりと現状を把握していくことに努めました。まず第一に町内の事業所の所在、事業内容をまとめた冊子を作り、三宅町の全世帯に配布し、会員の相互理解と町民への認知度を高めました。また、次代を担う青年部メンバーと積極的に話し合い、視野を広げるため英会話教室や海外研修も実施しました。
○花火や祭りなども、会長時代に始められたと伺いました。
会長就任当時から、商工会として、何か町民の皆さんに貢献できることはないか、三宅町をもっと元気にすることはできないかと考えていました。
最初は祭りをやるつもりはありませんでしたが、副会長をはじめ役員の理解と支援があり、また青年部がいろいろと意見を出してくれ、やるからにはいいものにしたいと盛り上がってきて、祭りの開催まで漕ぎ着けました。青年部のメンバーは各々の仕事もあって忙しい中、積極的によく動いてくれて、いつの間にか自分を助けてくれるかけがえのない存在になっていきました。祭りや花火は、当初の三宅小学校での開催時には二千人ほどご来場いただき、住民の方から「毎年楽しみにしている」「ありがとう」などの言葉を頂戴することが増えて、それが励みになって毎年続けて開催しています。
○祭りだけでなく、物事を長く続ける中で、モチベーションを保つ秘訣はありますか?
自分が何かやろうといったことにまわりの方が賛同してくれたり、みんなが喜んでくれることがうれしくて、それがやる気に繋がっていると思います。個人の努力も大事ですが、まわりの方の支えがあって、協力して何か成し遂げることにやりがいを感じます。
奈良県商工会連合会の副会長をやっていた時も、金融部会長も兼任していましたので、県下の金融機関に対して、商工会に向けた融資制度について交渉しました。
普通の融資よりも金利や担保面で有利な制度がありますが、当時はそれを活用するのはごくごく限られた事業者で、各商工会の会員までは周知が行きわたらず、うまく活用されていませんでした。そこで、ことあるごとに制度の活用推進に力を入れたので、みなさんには大変喜んでいただけたことも励みになりました。
○現在もたくさんの役職を担っておられますが、今後の目標などあれば教えてください。
正直なところ、役職を離れてゆっくりと過ごしたいです(笑)
妻にも「体を大切にゆっくり過ごしてほしい」とよく言われていますが、自分は引き受けたからにはその職務を一生懸命全うしないと気が済まない性格のようです。商工会会長は、昨年、鈴木さんに引き継いだので、これからは、より地域密着型の活性化を意識して自治会活動に力を入れたいと考えています。商工会では青年部も頑張ってくれているように、自治会でも、特に三十代〜五十代の若手が中心となって地域に関わってもらうことが大切だと思っています。
歳を重ねると考え方が古くなりがちなので、自治会の活動も新しい柔軟な発想を持つ若い世代に引き継ぐための仕組みをつくる必要があります。
一人の者が長く役職を務めるのではなく、常に新しい人材を育てることが大切なので、今後はそのような環境づくりに取り組みたいと思っています。
このようにいきいきと語る置本さん。ゆっくりと過ごせるのはまだ先になりそうですね(笑)
インタビューご協力ありがとうございました。