くらし 有田・下津地域の石積み階段園 みかんシステム【世界農業遺産】
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- 発行日 :
- 自治体名 : 和歌山県有田市
- 広報紙名 : 広報ありだ 令和7年12月号
■世界農業遺産に認定!
8月26日、「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」が世界農業遺産に認定されました。市民にとっては馴染み深いみかん山の風景や技術が、世界的にみて非常に価値のあるものとして評価されました。
◇有田・下津地域の石積み階段園みかんシステムの評価ポイント
(1)何世代にもわたり受け継がれてきた知恵と技術
(2)品種や収穫時期を分散することで気候リスクに強い生産を実現
(3)石積み階段園の景観
(4)排水、保温に優れた独自の農業システム
(5)剪定(せんてい)、接(つ)ぎ木、手作業収穫などの繊細な栽培技術
◇みかんと共に生きる未来を守る
世界農業遺産認定への道を切り開き、尽力された中心人物の一人、秋竹新吾さんにその思いを語っていただきました。
株式会社早和果樹園 会長 秋竹 新吾(あきたけ しんご)さん
◇地域を守り次世代へつなぐ誇り
歴史ある地域を守り、次世代に誇れるものを残したい。
その思いから、生産者仲間に呼びかけて活動を始めました。世界農業遺産の認定を受け、「みかんとともに生きてきた人生」が評価されたようで、改めて自分たちの歩みが肯定されたように感じています。
◇未来につなげるために必要なこと
認定はスタートに過ぎません。これからもみかん農業を守り、継承していくためには、維持と進化の両方が大切です。また、「人を育てる」ことが継承のカギだと考えています。みかん作りが長年続いてきたのは、人から人へと受け継がれてきたからこそ。これからも地域の皆さんと共に守り、育て、未来へつないでいきたいと思います。
■世界に誇る、みかんのまち
全国初の自治体認定フルーツ「有田市認定みかん」。原産地呼称管理制度を創設して今年で16年目を迎えます。厳しい基準をクリアしたみかんだけが「認定みかん」と名乗ることができます。
今回は、その中でも特に高い評価を受け「プラチナファーマー」の称号を手に入れた生産者の皆さんに、みかんづくりへの思いやこだわりを伺いました。
◆(株)早和果樹園生産部 岩倉 舞子(いわくら まいこ)さん
◇変わる気候に寄り添うみかん栽培
気候や環境が毎年変わるので、昨年の方法がそのまま今年にも通用するわけではありません。日々試行錯誤しながら取り組んでいます。美味しいみかんができた時に「やってきたことが間違っていなかったんだ」と感じる瞬間が、何よりうれしいです。
◇畑の記録を未来につなぐ
私たちの畑では、全てのデータをクラウド上で管理しています。過去の取組をいつでも確認できるので、経験が浅い社員でも、蓄積されたデータを元に今年の方針を立てられるのが大きな強みです。
◇この景色を未来へ
今の石積み階段園があるのは、地域の方々がみかんを作り続けてきたからこそだと思っています。これからもこの素晴らしい景色を守りながら、皆さんに美味しいみかんを届けたいと思います。
◆山勝(やまかつ)久世 佳典(くぜ よしのり)さん
◇みかんに込めた想い
自分にとってはたくさんの中の一つのみかんでも、購入してくれた方にとっては、「はじめての有田みかん」になるかもしれない。だからこそ、摘果や選別を一つひとつ丁寧に行い、箱に詰めています。皆さんには「信用を買っていただいている」と感じているので、安心して美味しいみかんを味わってもらいたいです。
◇笑顔を届けるみかん作り
自分が作ったみかんを「美味しい!」と言ってもらえることが一番うれしいです。「また買いたい」と伝えてくれる方もいて、その一言が本当に励みになります。
◇守り続ける、地域の財産
みかん山に広がる段々畑は、この地域にとって本当に大切な財産だと感じています。石積みが崩れた時には、親に教わりながら積みなおしてきました。この景色を地域の誇りとして、これからも受け継いでいきたいと思っています。
■地域の誇りとして
今回の特集では、世界農業遺産に認定された「有田・下津地域の石積み階段園みかんシステム」や、生産者の皆さんのこだわりを紹介しました。400年以上の歴史を刻んできたこのみかん栽培は、これまでの農家さんの知恵と努力の結晶であり、今回世界に認められたことは、私たちにとって、とても誇らしいことです。
これからも、この素晴らしい財産を次世代へ伝えていくために、地域の皆さんとともに支え合いながら歩んでいきたいと思います。
問合せ:
有田みかん課【電話】22-3635
ふるさと創生室【電話】22-3648
