くらし 町長メッセージ

■火の用心
印南町長 日裏 勝己(ひうらかつみ)

令和7年度がスタートして早や1か月が経ちました。4月初めに満開だったソメイヨシノも、今は新緑に包まれています。町長室から見える山々の景色も日一日と色合いが変化し、自然の息吹を感じます。
4月1日、新年度のスタートに合わせて、新規採用職員2名を含め、総勢36名に辞令交付を行い、新体制が出来ました。現在の全職員数は87名で、内5名は再任用職員(定年退職後65歳まで勤務する事が出来る)、他の機関(和歌山地方税回収機構)に出向中が1名となっています。再任用職員を除いた職員数は82名で、4月1日現在の平均年齢は36.0歳、町職員としての平均経験年数は11年7ヶ月と非常に若い組織となっています。行政を進めて行くうえで「若さ」と「経験」とのバランスが大変重要で、職務上での上下関係を保つことは必須でありますが、職場内の風通しが良くなければなりません。すべての職員が初心に帰り「ワンチーム」となって職務に専念するものと、期待しています。私も心新たに緊張感をもって「住民目線のまちづくり」を進めてまいります。
4月13日には「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪・関西万博が開幕されました。当日は雨天で風も強く混乱のスタートのようでありましたが、10月13日までの6か月間の長きにわたり開催され、成功裏に終了されることを願っています。
さて、2月26日岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災は、長期間にわたって広範囲に延焼が続き、4月7日に鎮火宣言が出されました。発生から鎮火まで41日間を要しました。今回の火災で死者1名、焼失面積は2,900ヘクタール、住宅86棟、非住家135棟の被害を受けたと発表されています。平成以降、日本最大規模の山林火災となっています。印南町の面積113.62平方キロメートル(11,362ヘクタール)に置き換えますと、町の25%にあたります。旧村の面積から見ると、切目川(2,932ヘクタール)の面積に匹敵することになります。いかに甚大な火災であったかが想像出来ます。
また、各地でも山林火災が発生し、3月後半に発生した、岡山県今治市の山林火災は565ヘクタール、愛媛県西条市の山林火災は442ヘクタールが消失いたしました。
大規模山林火災の背景には、夏の猛暑に加え、秋からの少雨で山林草地の乾燥が進んでいることが挙げられます。たき火や野焼きから端を発し、そこに極度の乾燥と強風が加わり、甚大な火災に拡大したということです。地上と空からの懸命な消火活動が行われましたが、最終鎮火にたどり着いたのは雨によるものが大きかったと思います。
火を使う時には十分な準備と注意、そしてその場を離れないことが大切と思います。