- 発行日 :
- 自治体名 : 和歌山県印南町
- 広報紙名 : 広報いなみ 令和7年12月号 No.365
■「いざ」に備え訓練を
印南町長 日裏 勝己(ひうらかつみ)
本年も残り1ヶ月となりました。いつもの事でありますが、月日の経つ早さに驚いています。特に今年の猛暑は長く記録的な暑さであり、秋らしい秋を飛び越え一気に冬を迎えました。例年より早くインフルエンザの発生が拡大している中、体調管理にはお互いに十分注意しましょう。
さて、11月5日は「世界津波の日」であり、第70回国連総会本会議(平成27年12月22日)で決議され、この日を「世界津波の日」と定めました。元衆議院議員の二階俊博先生の提案で、津波の脅威について関心が高まり、命を守る1つの手段として、世界中の方々が津波の恐ろしさを知り、その対策が進むことに期待したものです。具体的な内容として、(1)11月5日を「世界津波の日」として制定すること、(2)早期警報、伝統的知識の活用、「より良い復興」を通じた災害への備えと迅速な情報共有の重要性を認識すること、(3)すべての加盟国、組織、個人に対して、津波に関する意識を向上するために、適切な方法で世界津波の日を遵守することを要請すること、などが含まれています。(外務省ページより)「世界津波の日」をいつにするかの議論の中、東日本大震災を始め、世界各地で津波が発生している中での決定であります。震災で多くの犠牲者を出している中で、安政元年(1854年)11月5日に起きた安政南海地震では、広川村の濱口梧陵の偉業により村人を救った「稲むらの火」の逸話が今もなお語り継がれています。そのことから「11月5日」が最適と判断され、国連総会が近づく中、国会議員が各国の大使館を回られたそうです。結果、わが国を始め、142カ国が共に提案し、満場一致で採択されました。
この「世界津波の日」に合わせ、当町でも内閣府との共催で11月1日に全町民参加による「印南町地震・津波防災訓練」を実施しました。南海トラフ巨大地震が発生した場合、震度6強以上の揺れと、最大高15mの津波による被害が想定されています。今回の訓練は、地震・津波から命を守ることはもちろんですが、被災後の自助、共助について学習し、各参加者が現状を把握し、課題を見つけ、防災意識の向上を図ることを目的としています。午前7時30分の大津波警報発表のサイレンを合図に沿岸部の住民は高台へ避難、山間部の住民は避難所に集結し、避難所運営訓練を実施しました。その後、防災福祉センターを拠点に、全小中学生も参加した大掛かりな訓練でありました。「いざ」に備え、機会あるごとに訓練を続けていきたいと考えています。
この1年「広報いなみ」をご愛読頂き誠にありがとうございました。
