くらし 【特集】種が花開く倉吉に(1)

■令和7年度市政運営を広田市長に聞く
県立美術館が開館し、多くの人々が倉吉を訪れることが期待されています。美術館開館を見据えてこれまで取り組んできた事業が実を結ぶ年とも言えます。令和7年度に取り組む主な事業や予算について、広田一恭(かずやす)市長に聞きました。

◆令和7年度の倉吉市は
ー任期最終年度にあたる令和7年度に取り組む主な事業を教えてください。
これまでの3年間、企業誘致や人口減少問題など、さまざまなことに取り組んできました。令和7年度は“活気あふれる元気な倉吉づくり”の最終仕上げの年として、成果が出る年にしたいと思っているところです。
企業誘致の関係では、河北町には誘致企業の第2工場も稼働し、最終的には約200人の雇用が生まれる予定です。西倉吉工業団地も今後約100人の雇用が見込まれますので、そういった従業員やご家族の方々の1.JUターンを進めることで、人口減少を緩やかにできればと思います。
併せて、交流人口の増加を図る取り組みを観光分野などで進めることで、多くの方々が訪れてくださる、にぎやかなまちづくりに繋げられたらと思っています。
具体的には、県立美術館と市内の文化観光施設を3館ないし5館入場でき、市内対象店で割引が受けられる「くらよしミュージアム周遊パス」を販売しました。
また、県立美術館から旧市街地を回るループバスやグリーンスローモビリティ(電気自動車)を運行し、市内を移動する人々の利便性をぐっと上げていきたいと思っています。
この4月には関金に本格的な温泉宿泊施設「HOTEL星取テラスせきがね」がオープンしました。今まで周辺の温泉地に行っておられた方が、倉吉で温泉も満喫しながら宿泊できるようになりましたので、滞在型観光や移住にも繋げていけるのではと思っています。
県立美術館を訪れる多くの方々が、県立美術館だけで満足して帰ってしまうことなく、倉吉の中心市街地や、関金地域、県中部地域も訪れていただくことで、周遊滞在型の観光につなげたいと思っているところです。
大きなハード事業はありませんが、これまで仕込んできた種を大いに膨らませ、花開くものにしていくようなソフト事業を一層展開していきたいと思っています。
3月に記者発表が行われた漫画「遥かな町へ」の映画化も、今後進んでいきます。漫画の舞台である倉吉市でも撮影が行われますので、市民の皆さんにもエキストラ出演などさまざまな面で協力いただくことがあると思いますのでよろしくお願いします。原作者の谷口ジローさんはヨーロッパで人気が高いため、皆さんと一緒になって、倉吉を国内外に大きくアピールできる機会になると思っています。

◆機構改革のねらいは
ー市の組織が一部変わりました。そのねらいを教えてください。
健康福祉部に子育て支援局を新設し、局内に「こども家庭センター」と「こども支援課」を設置しました。こども家庭センターでは、全ての妊産婦や子育て世代がワンストップで支援を受けられる体制を整えました。こども支援課では保育園や児童館の課題解決に取り組むなど、充実した子育て施策の展開に繋げたいと思っています。
また、市民生活部環境課に脱炭素社会推進室を設置し、脱炭素社会実現に向けた事業を進めます。
そのほか、中山間地域などの持続可能で利用しやすい交通体系づくりを目的に総務部企画課に交通政策係を置くほか、自然災害の防災減災に関する建設事業の推進体制を整えるため建設部建設課に維持防災係を置きました。
令和5年度から女性活躍推進に取り組み、管理職登用を図っております(令和7年4月1日現在登用率22・2%)。まだまだ途上であり、今後一層進めていきたいと思っています。

◆市民の皆さんへ
ー市民の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
県立美術館では、現在開館記念展が開催されています。ぜひご覧いただき、まずは身近で美術作品が見られる素晴らしさを実感していただきたいと思います。そして、「くらよしミュージアム周遊パス」やループバスを使って市内の文化・観光拠点や温泉などを楽しんでいただきたいと思います。
皆さんが感じ、楽しんだ倉吉の魅力を、一人一人が広告塔になって大いにアピールしていただいて、多くの方々が倉吉に訪れていただくような、活気あふれるまちづくりにご協力いただけたらと思います。
今後も皆さんの利便性の向上に取り組んでまいりますので、どんどん出かけていただいて、まちづくりにご協力いただくことを引き続きお願いいたします。

問合せ:企画課
【電話】22-8161
【FAX】22-8144