くらし 知って対策『鳥獣(ちょうじゅう)被害』(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県琴浦町
- 広報紙名 : 広報ことうら 2025年7月号
近年増えつつある『鳥獣被害』について被害の状況と対策を特集します。
近年、中山間地域を中心にイノシシなどによる農作物の被害が深刻化しています。米、トウモロコシ、果実など農家が時間をかけて育てた作物が、イノシシやカラスなどの鳥獣によって、収穫できない状態にされてしまうことを農作物の『鳥獣被害』と呼んでいます。
農林業を守り、地域産業を維持していくためにも、適切な被害防止対策を行い、安心して生産活動ができる環境を目指しましょう。
■鳥獣被害を防止するためにできること
(1)エサを放置しない
稲刈り後のひこばえや収穫後の野菜くず、管理されていない柿の木など、鳥獣にとってエサとなるものは非常に多いです。鳥獣にとってこれらは魅力的な食べ物です。
無意識の餌付けになりますので撤去するようにしましょう。
(2)防護柵で正しく囲う
電気柵やワイヤーメッシュ柵を正しく設置しましょう。電気柵の高さが適切でなかったり、ワイヤーメッシュ柵を設置している地面に穴が空いていると十分な効果が出ない場合があります。
設置後は定期的な点検と草刈りなどの手入れが必要です。
(3)隠れ場所を作らない
基本的に鳥獣は警戒心が高く、えさ場の近くに身を隠せる場所があると安心します。耕作放棄地は鳥獣の隠れ場所になりやすく、耕作地の近くに隠れ場所があることで、鳥獣被害が増えてしまいます。作付けしない場合でも、草を刈るなど隠れ場所にならないよう管理しましょう。
(4)捕獲活動
捕獲によりイノシシやニホンジカなどの個体数を減らすことも必要です。栄養価が高く、味の良い農作物を食べることを学習したイノシシなどは、繰り返し侵入を試みます。防護柵の設置とあわせて捕獲活動を行うことで、効率的に被害を防ぐことができます。
■町内の被害の推移
農作物などへの被害額は鳥取県農業共済などから町へ報告があります。琴浦町内における被害額は、近年はやや減少傾向にあります。被害作物は主に水稲と果樹(梨)でしたが、近年は飼料作物や畑作物でも被害が発生しています。
■昨年度の被害の状況
琴浦町内における昨年度の農作物被害面積と、被害額は次のとおりです。琴浦町全体の被害区域面積は409.6a、被害額に換算すると111万円となります。報告のあがっていない自家用栽培などの被害もあり、それを含めると実際の被害は数字以上に発生していると思われます。
◇イノシシ
※( )内は被害面積
◆昨年度の捕獲実績
捕獲免許をもった方々が町内で捕獲活動をされており、その実績をまとめました。
昨年度のイノシシの捕獲頭数は393頭で、以西地区、古布庄地区などの山間部における捕獲件数が多くなっています。シカの捕獲頭数は42頭で、成美地区、以西地区、上郷地区で多く捕獲されています。ヌートリアの捕獲件数64頭で、八橋地区が多くなっています。川岸に巣穴を作るため、河川や水路が近ければ出没が多くなります。
◆捕獲頭数
◆地区別捕獲頭数
◆狩猟免許試験のお知らせ
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律に基づく狩猟免許試験が実施されます。
試験日:11月30日(日)
会場:伯耆しあわせの郷大研修室ほか
申込締切:11月17日(月)
申込先:鳥取県中部総合事務所 農林局農業振興課
【電話】23-3161
◇新規受験手数料
◇Interview 猟友会会長インタビュー
猟友会琴浦地区
会長 河上(かわかみ)幸徳(ゆきのり)さん
琴浦町の猟友会は現在会員37名で活動をしています。
近年、イノシシやシカなどの被害が増え、平成31年から鳥獣被害対策実施隊を結成して対応していて、年間400頭くらい捕獲しています。
幸い琴浦地区では事故はありませんが、全国ではイノシシ、シカの反撃や猟銃などの事故が発生しています。
事故防止を兼ね琴浦地区で安全講習会を開催し、全国の事故例などを参考にして事故の無いよう気を付け、マナーを守り安全な駆除を心掛けたいと思っていますので、今後とも猟友会をよろしくお願いいたします。