文化 江府町立図書館の本棚「こんな本あります!」

監修:江府町立図書館館長 宇田川恵理

こんにちは!江府町立図書館の宇田川です。江府町立図書館の本棚にある、ちょっと気になる「こんな本」を、紹介していきたいと思います!

■『とびきり屋見立て帖 千両花嫁』
山本兼一著(祥伝社)

高校生の頃から『宮本武蔵』など時代小説を読みふけり、同級生に変わり者扱いされていた私が、久しぶりに好きだった作家の1冊に巡り合いました。作家の名前は山本兼一。久しぶりだったのは、2014年に57歳で亡くなったからです。その1冊が今回紹介するとびきり屋見立て帖シリーズの1巻目『千両花嫁』です。2008年に出版されましたが、この度文庫で再刊されました。
舞台は幕末の京都。老舗の茶道具屋の娘ゆずは、二番番頭の真之介とかけおち同然で一緒になります。2人は三条通りに道具屋「とびきり屋」を開き、時代の荒波にもまれながら、持ち前の目利きと度胸で勝負していきます。近藤勇や坂本龍馬など、幕末を彩る面々も重要な登場人物として描かれます。
真之介の、侍相手でもけして引かないまっすぐな強さと、子どもの頃から培ったゆずの目利きと機転が、次から次へとおこる事件を時に切なく、時に痛快に解決へと導いていきます。京都らしいはんなりとした言葉やいけずな感じも魅力です。全部で4巻まである本シリーズ、次も読み返したくなりました。