くらし -特集-ありがとう七色ガシ みんなの心に永遠に
- 1/35
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県江府町
- 広報紙名 : 町報こうふ 2025年10月号
令和7年9月6日に七色ガシの倒木が確認されました。明倫小学校の校歌にも唄われているように永らく町民から愛されてきた七色ガシについてふりかえり、これからも皆さんの心に残っていくよう今月号と来月号の2回に渡ってお伝えします。
■武庫の七色ガシ
JR伯備線武庫駅の南方、旧明倫小学校裏の山麓に立つシラカシの大木です。(胸高直径65cm、枝張りは南北10m、樹高約20m)ブナ科の常緑広葉樹で、樹齢は推定300年以上とみられています。季節毎に、紫→黄→白→赤→緑→青と葉の色を変えていくことから、七色ガシの名がつけられました。
■倒木までの経過
令和3年から葉の数が少なくなり、不定根誘導等による回復措置を行ってきましたが、樹体の空洞化が50%程度進んでおり、支えきれなくなり倒木したと考えられます。
■七色ガシの伝説
七色ガシの伝説は、悲恋の物語であり、絵本にもなっています。
昔、半の上城というお城があり、亀之丞という若君がいました。おみさという若い娘は若君の身の回りの世話をする係で、若君に思いを寄せておりました。ところが、若君に縁談の話がまとまりお姫様が来ることになりました。おみさは悲しみのあまりカシの木の近くの淵に身を投げてしまいました。おみさの亡骸は見つからず、一匹の大蛇がお城の方角を見つめていたのです。月日が流れ、淵がなくなると、大蛇はカシの木をつたって天に登っていきました。それからというもの、そのカシの木が1年に7回葉の色を変えるようになったのです。まるでおみさが花嫁衣裳を着替えているように…。
この悲恋の伝説から地元では別名「蛇ガシ」とも呼ばれ、枝を切ると血が流れ、幹を傷めると災難があると言い、大切に守られてきました。
倒木した七色ガシにはすぐ横に後継樹となる「ひこばえ」が生えています。このひこばえを大切に守り育てると共に、倒れた七色ガシをどのように活用していくか、七色ガシをどのように伝えていくのかと言ったことについて検討していきます。
江府町のシンボルとして愛されてきた七色ガシについて今後どのように取り組みを進めていくか、後世に伝えていくのかについて皆さんと共に考えていきたいと思いますので、ご協力くださいますようお願いします。
来月号では他の七色ガシ伝説や七色ガシの足跡についてお伝えします。
