子育て 令和7年度全国学力・学習状況調査の結果について(1)

「全国学力・学習状況調査」は、全国の小学校6年生、中学校3年生(義務教育学校6年生、9年生)を対象に全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の改善や、児童生徒への教科指導の充実、学習状況の改善に役立てるために行われています。
内容は、(1)教科に関する調査(国語、算数・数学、理科)と(2)生活習慣や学習環境に関する質問紙調査です。この調査の結果を基に、江府町の子ども達の学習や生活の様子について考えていきたいと思います。

■国語
◇6年生
全体的に全国平均正答率より高い結果となりました。中でも、「話すこと・聞くこと」に関する問題は高い正答率を示しました。
一方、目的に応じて自分の考えが伝わるように工夫して書いたり、文章や図表などから必要な情報を見つけ、条件に従って自分の考えを書いたりする記述式の問題は、全国正答率よりやや低い結果となりました。
今後は、文章や図表から要旨を把握したり、目的や意図に応じて自分の考えを工夫して書き表したり学習を積み重ねていくことを大切にしたいと思います。また、自分が書いた文章が問題の条件を満たしているかを読み直す習慣も身につけていきたいと考えます。

◇9年生
全体的に全国平均正答率より高い結果となりました。特に、手紙の下書きを見直し推敲する問題は、他の記述式問題と比べ全国正答率より明らかに高い値を示しました。
しかし、全国的にも正答率が低く難問であった、文学的な文章を読み、その構成や展開について、根拠を明確にして自分の考えを書く問題は、奥大山江府学園の生徒たちも苦戦した様子がうかがえました。
全体的には、今までの学習の成果が十分に発揮されており、着実に力がついていると考えます。

■算数・数学
◇6年生
数と計算、図形、測定、変化と関係、データの活用のすべての領域において全国の平均正答率より高い結果となりました。
問題別にみると、全国的に難しかった分母が異なる分数の加法の考え方を記述する問題は、全国正答率よりやや高い結果となりました。また数直線上に示された数を分数で示す問題、はかりの目盛りを読む問題は、全国正答率よりやや低い結果となりました。
今後は、分数の意味や表し方などの内容も復習しながら、さらに力をつけていきたいと考えます。

◇9年生
数と式、図形、関数、データ活用の問題のすべてにおいて全国の平均正答率より高い結果となりました。
全国的に正答率が低かった「連続する2つの3の倍数の和は、どんな数であるか」を答える問題は、式の意味を読み取り、成り立つ事柄について数学的な表現を用いて解答する力が必要であり、奥大山江府学園の生徒たちにとっても難しかったようです。
全体的には、国語と同様、今までの学習の成果が十分に発揮されており、深く理解していることがうかがえます。

■理科
◇6年生
「粒子」「生命」「地球」の領域は全国の平均正答率より高い結果となりました。
一方、「エネルギー」領域の問題は全国正答率よりやや低い結果でした。アルミニウム、鉄、銅の性質に関する問題は、いずれかが電気を通さないと誤って捉えている様子がうかがえます。
全体的には学習の成果が十分に発揮された結果でしたので、今後も学習を積み重ね、着実な力をつけていきたいと考えます。

◇9年生
今年度は、9年生理科のみCBT(タブレット端末を使ってオンラインで解答する方式)によるIRTを用いた調査が実施されました。IRTとは、児童生徒の正答誤答が問題の特性によるものか、児童生徒の学力によるものかを区別して分析し、学力スコアを推定するものです。
特に、植物のスケッチから茎や根の構造について適切なものを選択する問題は、全国正答率より、とても高い正答率となりました。
理科においても、国語、数学と同様、学習してきたことが確実な力となっていると思われます。