- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県奥出雲町
- 広報紙名 : 広報奥出雲 令和7年6月号
■森林火災の負の連鎖
消防庁によりますと山林火災を含む林野火災は、2023年に全国で1,299件起きており、半数を超す679件が2〜4月に集中しています。出火原因は、刈り取った草木などを自宅の庭や田畑で焼却する「たき火(ケタ焼き)」が4割を占め416件、次いで野焼きなどの「火入れ」が247件と2つで6割を占めています。
また、今年は大規模な森林火災が岩手県大船渡市や岡山県・愛媛県でも発生し、海外でもロサンゼルスで大きな被害が出ていることは、記憶に新しいところです。
森林は、光合成によりCO2を吸収・固定し、酸素を放出して温暖化防止の緩和に貢献しています。
2024年の世界各地での森林・湿原の火災での消失面積は、日本の国土面積の2.3倍にあたる89万平方km。森林火災で出た二酸化炭素の量は、世界全体の排出量の2〜3割になります。これにより「地球温暖化の進行↓極端な乾燥の増大↓森林火災の増大↓大気の二酸化炭素濃度の上昇↓地球温暖化の進行」という『負の連鎖』が起こり温暖化を加速度的に進めてしまいます。
このままの勢いで森林破壊が続けば、木の実、キノコ、山菜などの食料・燃料が採れなくなりますし、海に流れ込む森からの養分が減ることで、魚介類にも影響があります。野生生物種の半分以上が生息している森林の消失は、多くの野生生物を絶滅の危機に追いやり、異常気象による災害が増加する可能性が高まります。
森林を保全することは、地球環境を守り、私たちの生活を守るために不可欠です。