- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県西ノ島町
- 広報紙名 : 広報にしのしま 令和7年10月号
◆お口の健康と認知症
近年、様々な研究からお口の健康と認知症が深く関係していることが分かってきました。認知症の一種であるアルツハイマー型認知症において、慢性の歯周炎がある人はない人と比べ1.7倍も発症リスクが高くなったという報告があります。また、自分の歯がほとんどなく入れ歯も使っていない人は、歯が20本以上残っている人と比べて1.9倍発症リスクが高いと言われています。
では、どのようにしてお口の健康と認知症が関わっているのでしょうか?今回は直接的な原因となる歯周病と咀嚼(そしゃく)がどのように関係しているのかご紹介します。
◇歯周病との関係
歯周病の原因となる歯周病菌から出る毒素や歯周病による炎症から出る物質は、血液を介して脳へ行き、神経の炎症を起こします。脳内で炎症が起こると認知症の原因とも言われているアミロイドβやタウといった異常なたんぱく質を分泌します。お口の中で歯周病菌による炎症が続くほど、アミロイドβやタウが分泌され、溜まっていきます。アミロイドβやタウが溜まることは認知症を発症・進行させることに繋がります。
◇咀嚼(そしゃく)との関係
むし歯や歯周病などが原因で歯が無くなったり、痛みなどで食べ物を噛むことができなくなると咀嚼(そしゃく)量が減り、脳の血流量が減少します。脳の血流量が減少することで、脳の中で記憶や空間認知能力を司る器官である海馬の神経に障害が起こり、認知症を進行させます。
◆認知症にならないためにお口の健康を維持しよう!
認知症になってしまうと、自分で歯みがきや義歯の取り扱いが難しくなり、お口の状態は悪化しやすくなります。そのため、認知症の方は元気な方と比べるとむし歯や歯周病になる人が多いと言われており、そうなるとさらに認知症を進行させてしまうという悪循環に陥ってしまいます。認知症にならないためにお口の健康を維持しましょう。
参考:
・国立長寿医療研究センターHP 健康長寿ラボ「歯周病と認知症の関連について【前後編】」
・日本歯科医師会HP 歯と口のことなら何でもわかるテーマパーク8020「8020現在歯数と健康寿命」
・シンポジウム「健康長寿に必要なこと-知って欲しい!お口の重要性-」
◆後期高齢者歯科口腔健診 実施中!

実施主体:島根県後期高齢者医療広域連合
問い合わせ:西ノ島町役場 健康福祉課
【電話】08514-6-0104
