- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県岡山市
- 広報紙名 : 市民のひろばおかやま 2025年11月号 No.1478
■五十肩について
岡山市医師会
「五十肩」というのは正式な医学用語ではなく医学的には「肩関節周囲炎」または「凍結肩」と呼ばれます。中年以降、特に50歳前後に多くみられ、肩の関節を動かすための腱(すじ)やその周りの組織が年齢とともに傷んで炎症を起こすのが主な原因と考えられています。多くの場合、1~2年ほどで自然に良くなります。ただし、似た症状を示す病気に、石灰性腱板炎(けんばんえん)(すじにカルシウムがたまる病気)、腱板(けんばん)断裂(肩のすじが切れる)、上腕二頭筋長頭腱(ちょうとうけん)損傷(力こぶのすじの障害)などがあり、区別が必要です。
肩関節周囲炎の経過としては、
1.急性期(数週間~数カ月)は炎症が強くなり、痛みが悪化する時期です。特に夜に痛みが強く、眠れないこともあります。三角巾などで腕を休ませたり、痛み止めの薬や注射で症状を抑えます。
2.拘縮期(こうしゅくき)では炎症や痛みは少しずつ治まりますが、肩の動きが硬くなってきます。この時期は無理に動かすと逆効果なので、温めたり、軽く動かす程度にとどめます。
3.回復期になると肩の硬さと痛みがだんだん良くなってきます。この時期は運動療法として肩をしっかり動かすことが大切です。
ここで運動をきちんとしないと、肩の動きが元に戻らず生活に支障が残ることがあります。
注意点として、なかなか良くならないときは、レントゲン・MRI・超音波検査などでしっかり原因を調べることが大切です。
