- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県吉備中央町
- 広報紙名 : 広報きびちゅうおう 2025年2月号 Vol.244
~町内にある文化財を探訪してみよう~
【道浄寺阿弥陀如来(どうじょうじあみだにょらい)】
町指定重要文化財(美術工芸品)
■解説
道浄寺(廃寺)に本尊として安置されていたといわれ、一木造(いちぼくづくり)の像で全高は二尺七寸五分(83cm)。豊麗端正(ほうれいたんせい)、極めて均整(きんせい)のとれた姿で、室町時代の中央(京都)の仏所(仏像を製作する工房のこと)の製作標準になっていたものといわれています。「南無阿弥陀仏」「応永三年(1396年)八月」の銘(めい)があります。
江戸時代になって檀家(だんか)制度が確立してからは、天福寺(てんぷくじ)(豊野峠谷)が現在の豊野地域をほぼ対象とし、盛時には七ヶ寺を擁(よう)していたと伝えられていますが、現在では観音庵(豊野下市)と道浄寺(豊野蜂谷)という小堂がわずかに残っているだけです。
道浄寺から20mほど離れた北側の山中には、永和3年(1377年)、応永2年(1395年)に作られた2基の宝篋印塔(ほうきょういんとう)(町指定重要文化財)があります。
■吉備中央町文化財保護委員からのワンポイントアドバイス
〔石田昌德(いしだまさのり)委員〕
この地域には、竹荘八十八ヵ所霊場(れいじょう)を巡礼(じゅんれい)する「おでっさま」(お大師様=弘法大師)が毎年春と秋の2回あり、それぞれ4日間にわたり行われます。1番札所の観音庵から始まり、18番札所が道浄寺です。
それぞれの札所に大小の阿弥陀如来像、薬師如来像や石像などの美術工芸品が祀られています。吉備の山並みを眺めながら霊場を巡礼し、心癒(いや)されるこの阿弥陀如来様にお会いしてみてください。
お問い合わせ先:教育委員会事務局 生涯学習班
【電話】0866-56-9191