その他 市長就任あいさつ

4月28日に開催された庄原市議会第2回臨時会で、八谷恭介(やたがいきょうすけ)市長が就任あいさつを述べました。その一部を抜粋して紹介します。
※広報しょうばら5月号において「6月号に八谷市長の所信表明を掲載します」とお知らせしていましたが、内容を変更し、6月号には市議会臨時会で行った市長就任あいさつを掲載します。

1.はじめに
このたびの市長選挙におきまして、私、八谷恭介は市民の皆さんからの温かいご支持とご支援を賜(たまわ)り、第3代庄原市長の栄に浴しました。この場をお借りして、衷心(ちゅうしん)より御礼を申し上げます。
壇上に立ち、改めて市政運営の舵取り役という重責を実感し、身が引き締まる思いでございますが、市民の皆さん一人一人が幸せを実感できる暮らしの実現のために、全身全霊を尽くして職責を全うする覚悟でございます。
この春、私たちの愛する「ふるさと」庄原市は、晴れて市制施行20周年の節目を迎えました。
しかしながら、合併以来、本市の最重要課題であります「人口減少」、特に子どもたちや若者世代の人口は減少の一途をたどっており、これを食い止めるためには、新たなアプローチによる施策も必要であると認識いたしております。
そのためには、市民の皆さんはもちろん、客観的な視点を持つ外部人材の知見も盛り込んだ戦略的な市政運営を行う必要があります。

2.市政運営の方向性
私は、こうした市政運営の羅針盤として、今回の選挙において「世代」「市民と行政」「地域と人」そして「産・学・官」をおのおの「つなぐ」とした4つの基本施策を公約として掲げ、市民の皆さんが夢を持ち続けられる庄原市を実現し、「未来へつなぐ」ことをお約束いたしました。

・「世代をつなぐ」
本市の最優先課題は人口減少対策、特に若者世代の減少を食い止めることであるのは、明らかでございます。安心して子育てができる環境を充実させるとともに、自然体験や地域連携型教育を通じて、子どもたちが夢と希望を持ち、地域で輝ける教育環境を整備いたします。
子育て世代の声に寄り添った施策により、定住促進と出生数の向上に挑戦してまいります。

・「市民と行政をつなぐ」
庄原市まちづくり基本条例に謳(うた)う「市民が主役のまちづくり」の理念に基づき、市民や議員の皆さんとの徹底的な対話と情報共有を通じて、多様な意見を政策に反映し、市民参画を促進いたしてまいります。
また、市職員が能力を最大限に発揮できる職場環境を構築し、一丸となって誇りを持って活躍できる市役所づくりを率先する所存でございます。

・「地域と人をつなぐ」
これまで「ふるさと」を守り、文化や自然をつないでいただいた高齢者の皆さんが、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、医療・福祉体制の充実と地域交通体系の整備に注力いたします。
また、あらゆる世代の交流を促進し、地域の活力を維持することで「つながり」と「支え合い」のまちづくりを進めてまいります。

・「産・学・官をつなぐ」
人口減少抑制のために最も重要な施策は、地域経済の活性化と魅力ある雇用創出であると考えております。
その実現のため、市内事業者の経済活動の強靭(きょうじん)化を促すとともに、県立広島大学庄原キャンパスをはじめとする高等教育機関を交えた産・学・官の強固な連携を基盤に、地域経済の活性化を図ってまいります。

以上、私の「まちづくり」の基軸となる4つの基本施策の要旨をご説明いたしました。

3.おわりに
ご承知のとおり、高度経済成長期から続く、本市の長期にわたる人口減少は、地域経済を疲弊させ住民の活力を奪い、それがまた若者を中心とした人口の減少を引き起こす、いわゆる負のスパイラルに陥(おちい)っている状況にあります。
こうした現状を、一朝一夕に好転させることは困難ではございますが、課題克服へのチャレンジを諦めてはなりません。
まず、これまで私たちの生活と地域を支えてきた農林畜産業と観光業の活性化に引き続き取り組むとともに、新たな価値創造による地域外からの所得流入を目指し、地元の資源と人材を最大限に活用した、地域に根差した「基盤産業」を確立してまいります。
併せて、新たな視点に立脚した企業誘致により、魅力ある多様な雇用を創出し、充実した子育て環境・教育環境を積極的に情報発信することで、若者世代の定住・移住の促進を目指します。
以上の施策を着実に実行する中で、市民や民間事業者、議員の皆さんとの対話と情報共有を常に心掛け、市行政も一丸となってこの難局に臆することなく正面から向き合い「未来へつなぐ」という理念のもと、にぎわいの溢れる庄原市の実現に尽力することを、お誓い申し上げます。
結びになりますが、議員各位、ならびに市民の皆さんのご理解とご協力を心よりお願い申し上げ、私の就任の挨拶といたします。

■木村洋副市長が就任
5月22日の庄原市議会第3回臨時会で、副市長の選任同意を受け、5月23日より木村洋(きむらひろし)氏が副市長に就任しました。
就任した木村副市長は、管理職向けのあいさつの中で「対話を重視し、職員が力を発揮できる環境を整える責任がある。市民のために挑戦と協働を心掛け、組織改革に尽力する」と語りました。
任期は令和11年5月22日までの4年間で、事務担当副市長となります。