- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県庄原市
- 広報紙名 : 広報しょうばら 2025年6月号(No.243)
このコーナーは、
営農指導員から、農業のちょっとしたコツを、お知らせします。
■野菜作りのワンポイントアドバイス
営農指導員 若山 譲(わかやま ゆずる)
▽梅雨の合間に効率的に作業しましょう!
この時期は、夏野菜の植え付けが終わり、管理作業が中心となる時期です。暖かくなり、野菜の生長が旺盛になるため、収穫や整枝(せいし)、誘引(ゆういん)は遅れないようにしましょう。
今回は、梅雨の時期に旬をむかえる野菜の管理方法と収穫時のポイントを紹介します。
1 病害虫の防除
梅雨時には、ナス科のトマトやジャガイモは疫病、ウリ科の野菜は、ベト病の発生に注意しましょう。着果したトマトやナスは花弁が残っていると、灰色かび病(花びらやつぼみにシミが現れ黒く変色する病気)の発生を助長するので取り除きましょう。
また、カボチャやキュウリは子葉からうどん粉病(白い斑点が出る病気)になりやすいので、子葉や下葉数枚は早めに除去しましょう。
2 排水対策
梅雨時は、ほ場が過湿になりやすい時期です。排水が悪いほ場では周りに溝を掘り、うねの中に水がたまらないようにするとよいでしょう。
3 収穫時のポイント
6月はキュウリ、ナス、トマトなどの収穫が始まります。奇形果などの異常果は株を疲れさせないように早めに採ります。
タマネギは葉が全体の8割程度倒れた頃が収穫のタイミングです。畑が十分乾いているときを見計らって収穫し、カビの繁殖を防ぐため高温多湿な場所を避けて保存するとよいでしょう。
ニンニクは、茎葉が30パーセント程度黄色したところが収穫の目安です。収穫時期が遅れると、球割れや裂皮が増えるため、早めに収穫しましょう。
4 その他の野菜管理
スイカは、虫が少ない地域では人口受粉しましょう。ナス、トマト、キュウリなどは、不要なわき芽や花を取り除きます。スイートコーンは徐穂する場合は、最上位の雌穂(しすい)を残し、第2雌穂以下の葉をかき取らないように注意して行います。
また、芽かきを適時行うことにより、葉が茂りすぎず、風通しや日当たりが良くなるため、病害虫の被害を受けにくくなります。
■花作りのワンポイントアドバイス
営農指導員 永奥 啓(ながおく はじめ)
▽今から播種(はしゅ)する花卉(かき)の例
比較的栽培が簡単で、初心者の人でも始めやすい代表的な花卉について紹介します。
1 ストック
・特性
花もちがいいことから人気があり、直売所でもよく販売されています。また、比較的育てるのに手間が掛からないことから、初心者でも育てやすい種類です。
・品種
ストックは大きく分けて(1)1本立ち系(2)スプレー系(3)分枝系―に分かれます。本市のような中山間地域では1本立ち系の品種が一般的で、7月中旬に播種して10月から11月に出荷する作型が無難です。
・播種と八重鑑別
7月の最も暑い時が播種の時期となります。この花は発芽時に高温にさらされると発芽率が大きく低下するため、できるだけ涼しい場所を選び、さらに寒冷紗(植物を覆う薄い布)などで温度が上がるのを防ぐ工夫が大切です。
花は八重と一重の株が半分ずつになるため、八重の花として高値で販売するには育苗中に八重鑑別という作業が必要となります。
2 ベニバナ
・特性
病害虫被害が少なく、栽培にあまり労力が掛からないため、育てやすい種類です。
・播種
6月中旬ごろに播種し、10月頃の開花・出荷を目指します。
この花は太くまっすぐ伸びる根のため、ポリポット、ペーパーポットで育苗し、根を傷めないように定植します。また、酸性土壌を嫌うため、苦土(くど)石灰などで酸性土壌を中和させ定植するのがポイントです。
問い合わせ:農業振興課農業振興係
【電話】0824-73-1131