- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県庄原市
- 広報紙名 : 広報しょうばら 2025年6月号(No.243)
開館日:月・木・土 9時~17時
■ラジオの歩み
本年はラジオ放送が開始された1925年(大正14年)から100年、1945年(昭和20年)の終戦から80年の節目の年です。今回は当館で展示しているラジオの中から、これらの時代などを象徴する3台を紹介します。
1.鉱石ラジオ
100年前にラジオ放送が開始された当時、半数以上の聴取者に使用されたタイプのラジオです。真空管などの増幅器を持たず、アンテナ線で受信する微弱な電気のエネルギーのみで、1人用の受話器(イヤホン)を使って聴きます。音声を聴き取るため、鉱石(方鉛鉱(ほうえんこう)など)に針を当てる簡単な方法で電気信号から音声信号を取り出します。当館では、このラジオを実際に聴く体験ができます。
2.戦時中の節約ラジオ
「戦時節約ラジオ」は1941年(昭和16年)に作られました。
この当時は戦時物資供給が逼迫(ひっぱく)する中、寺の鐘や鍋などが軍事装備品などの金属原料として供出され、ラジオでも鉄・銅などが「節約」されました。下側写真の「通常仕様ラジオ」と比べ真空管4本が3本に、台座が半分くらいに縮小し、さらにはスピーカーの枠が紙で作られています。
3.戦後高度成長期の高級型ラジオ
1965年(昭和40年)頃に作られた大型高級ラジオです。スピーカーが2つ付いており、受信電波の強さを表示する「マジックアイ」が搭載されています。
この時代はテレビがまだ十分普及する前の高度成長期で、家の中でラジオの「社会的地位」が高く、このように大型・高級化したものと推測できます。
ぜひ当館へお越しいただき、これらのラジオをご覧ください。
問合せ:口和郷土資料館
【電話】0824-87-2230