- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県安芸高田市
- 広報紙名 : 広報あきたかた 令和8年1月号
■シリーズ「博物館コレクション」第33回
安芸高田市歴史民俗博物館 学芸員 古川 恵子
◇国郡志御用二付下調書出帳(こくぐんしごようにつきしたしらべかきだしちょう)
桑田村(1819年)
※詳しくは本紙をご確認ください。
江戸時代の1825(文政8)年、広島藩の事業で新たな地誌「芸藩通志(げいはんつうし9」が完成しました。地誌とは地名、地形、交通、産物、風俗、習慣、伝承などをまとめた地域の基本データです。
この芸藩通志を作成するために各村から藩に提出されたのが「国郡志御用ニ付下調書出帳」(以下、下調帳)です。
内容は、村名の由来、歴史、小字、村高、諸上納物、地形、溝、井手、風俗、社寺、古跡、特産品、動植物、人口、牛馬数など多岐にわたり、簡略化した「芸藩通志」より内容が詳細で、安芸高田市の当時の様子を知る上でとても重宝します。今回紹介するのは、歴史民俗博物館で展示中の桑田村(現美土里町)の下調帳です。
この下調帳によると、村名は、むかし桑の大木があり、その跡が田地になったことに由来すると語り伝えられていたようです。
人口は595人で、男320人、女275人。風俗の項目には、正月4日からみのを編み、11日には「農具始」といってわら仕事、商売人は帳をこしらえていたことが書かれています。現在、県の無形民俗文化財にも指定されている花田植についての記述もあり、その様子は華美ではないものの、現在と同じようににぎやかに行われていたことが分かります。
市内図書館で閲覧できる「高田郡史」の資料編には、旧高田郡内32の村の下調帳が現代の文字に翻刻され掲載されています。
