- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県平生町
- 広報紙名 : 広報ひらお 令和7年(2025年)12月号 No.1364
『フィンガーボール~思いやる心~』
みなさんはフィンガーボールをご存じでしょうか。フィンガーボールとは、イギリスで海老や蟹などの甲殻類を食べた時に手を洗うための水の入ったボールのことです。
昔、イギリスの女王が海外からの客人を食事会に招待した時のことです。その客人の中の一人は、フィンガーボールが指を洗うためのものとは知らずに飲んでしまいました。
イギリスの人はフィンガーボールの本来の使い方(マナー)を知っていたので、さぞ冷ややかな目でその客人を見ていたことでしょう。しかし、女王はその姿を見て客人と同じようにその水を飲んだのです。
私は、女王のとった行動に深く感銘を受けたと同時に「マナー」について改めて考えさせられました。
「マナー」とは、人間関係の潤滑油のようなもので、社会生活をしていくうえで、守るべきルールです。
大声を出さない、順番を守る、ポイ捨てをしないなどの規律を守ることから、礼儀作法や会話の仕方など、相手に対する思いやりの心で、その場を愉快に楽しくしたり、気遣いをしたりするものなどがあります。このようなマナーがよりよく実践できるようになるためには、理性や感性と、品性を磨いておくことが大切です。
日本に初めて来た外国人は、最初に出されるおしぼりにびっくりされるように食事のマナーは各国で異なっており、他国のマナーを知らないことも当然のことでしょう。
女王の食事会ともなれば、楽しい雰囲気でありながらも、規律正しく威厳のある食事の場とするため、規則に沿ったマナーを重視する人もいるでしょう。
食事会で、客人が知らずにフィンガーボールの水を飲む姿を見た女王は、咄嗟の判断でためらいもなく、フィンガーボ―ルの水を飲まれました。
この判断は、和やかな雰囲気の中で愉快で楽しい食事会とすることを大切にされたのでしょう。
みなさんは、この女王の行為をどう思われますか。
自国のマナーにこだわるのではなく、互いの国のマナーを大切にすることは、互いの国の文化を尊重するすばらしい行為であり、私たちも女王の豊かな理性や感性と品性に近づく努力をしていきたいものです。
平生町人権教育推進協議会
(事務局:町教育委員会)
