文化 ウミガメ News Letter No.48

■日本ウミガメ会議の会場
今回で36回目を迎えた「日本ウミガメ会議」は、これまで各地で開催され、その会場も旅館の大広間や学校の体育館、地域の集会所、水族館、リゾートホテルなど実に多彩でした。その中でも、今回の美波大会の会場となった「日和佐公民館」は、特に意義深い場所です。というのも、ここは日本ウミガメ会議、そして主催する日本ウミガメ協議会が生まれるきっかけとなった「日和佐海亀国際会議」の会場だからです。当時の国際会議には、国内外からウミガメの研究や保全に携わる専門家が美波町に集まりました。日和佐中学校海亀研究班を指導した近藤康男先生も参加され、広く海を回遊するウミガメを理解するには、多様な立場の人々と地域をつなぐネットワークが不可欠であると語り、これを若手研究者に託しました。その思いを受け、参加していた亀崎直樹氏と菅沼弘之氏が全国の関係者を訪ね歩き、2年後の1990年には鹿児島市で第1回日本ウミガメ会議が開催されました。同時に、国内外との情報交換を担う日本ウミガメ協議会が設立され、両氏が初代会長・副会長に就任しました。以来、会議は全国のウミガメゆかりの地を巡りながら毎年開催され、研究や保全に関する活発な議論が続けられています。こうした歴史を振り返ると、今回の会場である日和佐公民館ほどふさわしい場所はありません。さらに、うみがめ博物館カレッタの開館40周年とリニューアルオープンの節目と重なったこともあり、まさに絶好のタイミングでの開催となりました。
館長:平手康市

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〒779-2304徳島県海部郡美波町日和佐浦369うみがめ博物館カレッタ「質問係」

■Question
ウミガメと他のカメの違いは何ですか?

■Answer
一番の違いは、甲羅の中に頭、手足を隠せない事です。カメは外敵から体を守るために甲羅に頭と手足を隠してやり過ごします。しかし、ウミガメは外敵から素早く泳いで逃げるために甲羅の形が流線形になったことで、甲羅の中にすき間が無くなり、頭、手足を入れて隠すことができません。