文化 COLUMN-読み物-平和な世界のためにできること

世界では、これまで数え切れないほどの争いや暴力行為が起こりました。残念なことに今でもなくなることはありません。
SDGs目標16平和と公正をすべての人に:では、あらゆる争い事をなくし、その被害者となる人々を減らすことを課題としています。また、出生登録のされていない子どもたちの数も深刻な問題となっており、そういった子どもたちの保護も課題に含まれています。
“戦争”の反対語は“平和”。SDGsで掲げているような「暴力がなく平和な世の中」が訪れるために、私たちはなにができるのでしょう。

■平和ってどんなこと?
「平和」は特別な場所にあるのではなく、身近な日常の小さなことから生まれるものです。
例えば、友達と仲良く遊ぶ、お互いを思いやる、家族と笑顔で過ごすことなど、日々の積み重ねが平和につながります。さらに、「平和」は戦争や、争いがない状態だけでなく、みんなが幸せに暮らせる、より良い世界を築いていくこと、つまり、みんなが協力してより良い未来を創造していくことでもあるのです。
具体的には、貧困や飢えがなく、安心して生活できる状態を指します。

▽そのためには…
お互いを思いやること:みんなが仲良く助け合ったり、お互いを大切に思ったり、自分のことだけでなく、周りの人や生き物、自然を大切に思う気持ちをもつこと。
違いを認め合うこと:自分とは違う意見や考え方を持つ人とも、お互いを尊重し、理解し合うこと。
助け合うこと:困っている人がいたら、手伝ったり、励ましたり、一緒に解決しようと努めること。

■戦後80年を迎えて
私たちが暮らす日本も、戦争の過去があります。東京大空襲や、広島・長崎への原子爆弾投下など、多くの一般住民が被害を受けました。戦争は、人びとから生命、からだや心の健康、大切な家族、おだやかな生活など、さまざまなものを奪う最大の人権侵害です。
人権が尊重されることにより平和が守られ、平和であることにより人権が守られます。
2025年(令和7年)、今年の8月15日で、終戦80年を迎えます。
二度の世界大戦中には、多くの人の尊い命が失われるとともに、特定の人種の迫害や虐殺など、重大な人権侵害が横行しました。その後、国際社会では、人権の保障が平和の基礎であり、戦争は最大の人権侵害であるとの考え方が主流になり、今日に至ります。
この80年間、日本は戦争のない平和な時代を過ごし、経済発展を遂げ、先進国として今日の地位を築きました。
戦後80年という節目を迎え、私たちはその歴史を振り返り、平和の尊さを改めて認識し、未来に向けて平和な社会を築くための誓いを新たにすることが重要です。
しかし、戦後80年が経過し、戦争を実際に体験した人は少なくなり、戦後に生まれた私たちが実体験を耳にする機会も次第に減り、戦争の記憶が風化していくと言われています。
徳島県護国神社の「徳島県戦没者記念館-あしたへ-」は戦没者の顕彰と悲惨な戦争・平和の大切さを語り継いでいくための施設で、奇数月第2土曜には「語り部」による戦争の体験談発表を行っています。
今年の美波町戦没者追悼式は6月18日(水)に開催いたします。老若男女どなたでもご参加いただけますので、是非足をお運びいただけることを願います。
実際に経験していなくても、記憶を受け継いでゆくことは、戦争を知らないこどもたち私たちにとって、これからも戦争とは無縁であるためにも必要なことだと思います。
「戦争と平和」について考えることは、未来を良くするための大切な一歩です。子供たちにも、平和の尊さや大切さを伝えていくことが重要です。

町民一人ひとりが相手を思いやり、多様な価値観を認め合う社会をめざしましょう。
「心温かい人々が暮らす、にぎやかな過疎の町」美波町であり続けるために人権について考え守っていくことがまさに、“にぎやかそ”美波町まちづくりにつながります。このコーナーでは人権に対する思いを掲載していきます。