スポーツ 新春対談かがわマラソン元年を県民みんなで盛り上げよう!(1)

■香川県知事 池田豊人×元陸上競技選手/かがわマラソン2026 大会アンバサダー 福士加代子

◎福士加代子氏プロフィール
1982年生まれ、青森県出身。高校から陸上競技を始め、2000年にワコール入社。02年に3000メートルと5000メートルで当時の日本新記録をマークし、1万メートルで日本選手権6連覇を果たすなど、「トラックの女王」と呼ばれた。06年の香川丸亀国際ハーフマラソンで当時の日本新記録を樹立し、翌年も優勝して2連覇し、13年世界陸上モスクワ大会ではマラソンで銅メダルを獲得。オリンピックでは、日本の陸上女子選手初の4大会連続出場を果たすなど、日本女子長距離界の第一人者として活躍。引退後は、ワコール陸上競技部アドバイザーとして後進の指導のほか、自身が企画・運営・主催するランイベント「笑って走れば福来たる駅伝(通称:笑福駅伝)」を毎年開催するなど、走ることの楽しさを伝える活動を行っている。

3月15日、県内初となる日本陸連公認の大規模フルマラソン「かがわマラソン2026」が開催されます。県内外から1万人のランナーが集結するビッグイベントとして注目される中、大会アンバサダーの福士加代子さんに、初開催となるかがわマラソンの魅力と楽しみ方、現役時代から続く香川県とのご縁についてお伺いしました。

◯香川への恩返しで始めた迎「笑福駅伝(わらふくえきでん)」
知事:新年をえ、この春開催する「かがわマラソン2026」まであと2カ月になりました。福士さんには、大会アンバサダーを引き受けてくださり、ありがとうございます。福士さんは、3年前にご自身初主催イベント「笑って走れば福来たる駅伝(以下、笑福駅伝)」を香川県で開催されました。初開催の場所を香川に選んだ理由は何でしょうか。
福士:香川には現役時代からよく来ていました。10代の時に屋島の陸上競技場でジュニア日本新記録、20代で香川丸亀国際ハーフマラソンで日本新記録とアジア新記録を出してるんです。毎年合宿で来ていたこともあり、競技場の管理をしている方と親しくなったり、飲食店で女木島の方と仲良くなって、島で朝食をいただいたこともありました。みんな親切で地元愛がすごく、いろいろな形で香川の魅力を教えてもらいました。その方たちに引退を伝えた時、「香川で何かやらないか」と誘われて、「じゃあ、やりますか」と恩返しのつもりで始めたのが「笑福駅伝」でした。
知事:福士さんにとって香川はとても縁起のいい場所だったんですね。
福士:本当は女木島でやりたかったんですけど、会場や交通の面を考慮して、その時期に新しくできた屋島レクザムフィールドで開催することにしました。私は一人で走るのが嫌だったので、みんなを巻き込んで盛り上がれる楽しいイベントにしようと思いました。
知事:人との出会いやその後のつながりもあったんですね。
福士:香川で出会った皆さんはとても面白くてパワフル。女木島のおばあちゃんは腰が曲がっているのに、腕をつかんで引っ張る力が強くてびっくり。現役時代に悩んで香川に来た時は、瀬戸内海の穏やかな海を眺め、地元の人とたわいもない会話をしていくうちに気持ちが楽になりました。女木島の方の「頑張れよ」の一言で、「もう一回やってみようかな」と思えるようにもなりました。私にとって香川は息抜きできる場所。走る以外の楽しさを教えてもらいました。

◯大失敗のマラソン初挑戦
知事:福士さんは、現役時代に「トラックの女王」と呼ばれ、5000メートルや1万メートルを中心に活躍されていましたが、マラソンに転向されました。
福士:トラックでは日本新記録も出しましたが、次第にタイムが伸びなくなり、「何かを変えないといけない」と感じていました。それまではマラソンを勧められてもかたくなに断っていましたが、「すごい記録が出るよ」の一言で、それなら「やります」って。それも軽いノリで(笑)。その時は、オリンピックもすぐに出場できると安易に考えていました。
知事:実際に走ってみると、マラソンは違ってました?
福士:丸亀ハーフマラソンで当時の日本新記録(1時間7分)を出したので、マラソンの距離を考えると、2時間15分くらいで走れるだろうと、軽いジョギング程度で考えていました。いざ練習を始めると、あまりに厳しくて泣きをみました(笑)。自分で言った手前、大会には出場しましたが、大失敗。これで終わったらダメだと思って、そこからマラソンにのめり込みました。
知事:マラソンを見ていると、特に30キロ過ぎたあたりから急に失速する人がいます。ハーフマラソンやトラックと違って、フルマラソンはリスクがあると感じますが。
福士:20キロまではそこまで練習しなくても走れるんですけど、マラソンは体力不足と練習不足が露骨に結果として出ます。マラソン初挑戦の時は、20キロまでの練習しかしていませんでしたから。
知事:体のどこかに急に異変が出てくるんですか。
福士:私が失敗した時は、最終的に足と呼吸の両方にきました。1時間半で体力を使い切っちゃって、最後はカスカスの状態。長い距離を走る練習で耐える時間を体で覚えておかないと、体力も持久力も備わらないし、体がついていかないですね。自分の走る時間に合わせて体を慣らしておくことが重要だと実感しました。

◎かがわマラソン2026の関連行事「梅の里あやがわジョギング教室2025」では、走る時の姿勢などをアドバイス