- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県今治市
- 広報紙名 : 広報いまばり 2025年6月号
■咳が続くときには-原因を調べ、適切な対応を-
今治市医師会 加藤丈陽
「風邪かな?」と思っていた咳が、なかなか治らない。そんな経験はありませんか?最近は、マイコプラズマや溶連菌、百日咳など、さまざまな感染症が流行しています。これらは原因によって治療薬が異なるため、正確な診断と対応がとても重要です。
咳が続くと、夜に眠れない、会話や仕事がつらい、人前で気を遣うなど、生活の質(QOL)にも大きな影響を及ぼします。たとえ軽い風邪と思っても、長引く咳は体にも心にも負担となります。
咳の原因には、感染症のほかに気管支喘息や咳喘息、睡眠時無呼吸症候群、副鼻腔気管支症候群(SBS)、胃食道逆流症など、さまざまな病気が潜んでいます。特に8週間以上続く「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」では、こうした疾患の鑑別が必要です。
診察や問診に加え、必要に応じて適切な検査を行うことで、原因を正しく見極め、より良い治療につなげることができます。また、喫煙は気道の炎症や、咳の悪化の大きな要因です。禁煙は呼吸器の健康を守るための重要な一歩です。
咳が長引くとき、「そのうち治るだろう」と放置せず、まずかかりつけの先生に相談してみてください。早めの対応が、快方への第一歩になります。
※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。