その他 未来を拓く~次代へつなぐ~NEXT GENERATION

農業
河内 章(あきら)さん

絵を描くことや美術館めぐり、映画、スノーボードなど多趣味。
興味を持ったことにはなんでも挑戦する、アクティブな40歳。

■人と地域をつなぎ、農業を新しい形へ
もともと土木関係の仕事をしていましたが、「一生涯続けられるやりがいのある仕事をしたい」と考え、家業である農業を選びました。平成25年に独立し、今年で12年目を迎えます。昔からものづくりに興味があり、土木も農業も「形(もの)をつくる」という点で共通しており、私の中では根本は変わっていません。
現在は、夏にきゅうり、秋にしいたけを中心に栽培しています。きゅうりは約13アール、しいたけは原木年間5千本、さらに農地の維持管理を兼ねてお米も作っています。特にきゅうりは土づくりに力を入れていて、たい肥や微生物資材を活用し、できる限り化学肥料に頼らない栽培を心がけています。
一方で、近年は異常気象に悩まされることも増えました。気温が高すぎると生育が止まり、人間と同じで夏バテのような状態で養分を吸収できなくなります。そのため、自然由来の肥料やアミノ酸肥料を試すなど工夫を重ねています。そうして苦労の末に収穫できたときは「やった」と心からうれしくなります。
蔵川のような中山間地域では、高齢化や担い手不足により農地の管理が難しくなり、耕作放棄地が増えているのが現状です。解決の一歩として、集落全体で協力し、農作業を共同化して助け合う仕組みづくりが必要だと感じています。私自身も就農当初、多くの先輩農家や業者のみなさんに支えていただきました。だからこそ、人とのつながりを大切にし、農業に直接関わりのない人とも積極的に交流するよう心がけています。
近年では、農協関係者や愛媛県の職員、学生などに栽培指導を行う機会も増えました。また、大洲市青年農業者協議会「アグルビト」の仲間とともに、生産者と消費者をつなぐ活動にも力を注いでいます。私は地域と地域を結ぶ“架け橋”として、協力しながら大洲の農業を盛り上げていきたいと考えています。さらに現在は、農業と絵本、食育を組み合わせた新しい取り組みも模索中です。子供たちが農業に親しみ、興味を持つきっかけをつくり、未来へとつながる活動を広げていきたいと思っています。