文化 【ふるさと魅力発信】面河山岳博物館

■身近な淡水魚 オイカワ
久万高原町の川魚と言えば、食べて美味しいアユやアマゴが有名ですが、今回は町内で最も美しい魚の一つ、オイカワを紹介します。
このオイカワ、全身銀色であまり目立った特徴はありませんが、夏のオスは違います。繁殖期になると体が鮮やかな青や桃色に変化するだけでなく、しりビレが長く伸びるため、まるで別の魚のごとく姿が変わります。久万川やその支流などでは普通に見られ、浅瀬を群れで素早く泳いでいることも多いです。
このように身近で美しい魚ですが、今年の7月末、町内でなんと黄色いオスのオイカワが見つかりました。町民の方が犬の散歩中に川を泳いでいる様子を発見し、学芸員が採集しました。魚類には「黄変」と呼ばれる、体色が黄色になる突然変異が生じることがあり、ドジョウやナマズなどさまざまな魚で確認されています。オイカワの黄変はこれまで知られておらず、貴重な記録といえそうです。残念ながらこの個体は、8月中旬に死亡してしまいましたが、身近な自然や生き物にもまだまだ大発見が眠っていることを実感させられました。(安田)

▽学芸員のつぶやき
黄色のオイカワが見つかった場所は久万地区。川岸からでも泳いでいる様子がよく目立ちました。よくアオサギなどの鳥に食べられずに育ったものです。

問合せ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/