- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県久万高原町
- 広報紙名 : 広報久万高原 2025年10月号
■真の寄生虫? ネジレバネ
昆虫には、他の生き物に寄生するものが多くいます。イモムシに寄生するハチやハエは知っている人も多いでしょう。この他にも多くの「寄生虫」が存在しますが、その多くが、最終的に宿主をエサにしてしまうため、真の寄生とは呼べません。一方、宿主の体に居座り続ける、真の寄生虫とも呼べる昆虫が私たちの周りにもいます。
その名はネジレバネ。私たちの身の回りにも生息しているものの、スズメバチに寄生するため、姿を見ることはかなり難しいです。メスの成虫はイモムシのような見た目で、ハチの腹部のすき間から頭だけを出して生活しています。そのため、パッと見ただけでは寄生しているか分かりにくいです。一方でオスはコバエのような見た目で、成虫になると宿主から離れますが、寿命はわずか数時間!その間にメスを見つけ出して繁殖します。ネジレバネに寄生されたスズメバチは通常より長生きすることが多いですが、その理由は分かっていません。スズメバチがよく飛び回るこの季節、もしかするとネジレバネも人知れず飛んでいるかもしれません。(安田)
▽学芸員のつぶやき
ネジレバネの中には、カメムシやクツワムシ等に寄生する種もいます。写真はヒメスズメバチから羽化したスズメバチネジレバネの雄。羽化後、1時間ほどで死亡してしまいました。
問い合わせ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
