- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県内子町
- 広報紙名 : 広報uchiko 2025年12月号
■見ようとすることから始まる人権意識
昭和60年当時、ある色覚異常の教員志望者は、求人票のほとんどに「色覚異常者不可」と記されている現実に直面しました。日常生活や仕事上で大きな支障がないにもかかわらず、社会は少数派に対して過剰な制限を課していたのです。当時、学校に来る求人は9割以上が色覚異常者不可。教員の求人も同様で、教員や事務職員が排除される理由は説明し難いものでした。
その後、公務員採用規定の改正により「色覚異常者不可」の項目は削除され、誰もが教員を志すことが可能になりました。この出来事は、制度や慣習が少数者にとって不合理な障壁となり得ることを示す例です。社会は当事者でなければ気付きにくい制限や偏見に対して、柔軟に対応する責任を負っています。
「明るいところからは明るいものしか見えないが、暗いところからは全てが見える」―これは漫画家の故・赤塚不二夫(ふじお)さんの言葉です。人も同様に、立場や経験によって見えるものが異なります。この視点の違いを意識せずに生活していると、知らないうちに他者の権利や自由を侵害してしまうことがあります。
誰かが抱える痛みや制限に目を向けることこそ、人権意識向上の第一歩です。見ようとしない限り見ることはできず、社会における不公平や不当な扱いは繰り返されてしまいます。少数者の立場を理解し、制度や慣習を見直す努力を続けることは、全ての人にとって公正で生きやすい環境をつくる礎となります。自分の「明るい場所」だけで物事を判断するのではなく、意識して違う視点に目を向けてみましょう。
問合せ:内子町教育委員会自治・学習課生涯学習係
【電話】0893-44-2114
