くらし 鬼北町議会12月定例会(4)

■一般質問(つづき)
◆大川 正展 議員
◇鬼北町地域公共交通計画について
〔問〕ニーズ調査の実施方法として、町内各地域でアンケート調査の実施とあるが、現在のアンケート回数と、その結果どのような検討を行ったのか。
〔答〕計画取組の一つとして令和5年12月より事業を開始した「デジタル技術を活用した運賃支払システム」について、当事業利用者を対象にサンプル調査による事業検証を行い、運賃割引事業における対象者および利用回数の拡充など見直しを行った。

〔問〕移動手段の創出、新たな移動手段の創出、実施した地区を算出するとあるが、地区に不公平が生じると考えられるが、どのような対策を検討しているのか。
〔答〕三島地区における自家用有償運送事業は、民間交通事業者の事業圧迫とならないよう運行範囲を当該地区内のみに限定し、公民館や地域の交通協議会を中心に運営していただいており、町は車両の貸与や運営費の補助等を行っている。
他の地区等についても当事業の要件等に合致する場合は、地域の要望により自家用有償運送事業の導入について支援に努めたいと考え、地域間で不公平等の生じないよう、慎重に検討をしいく。

〔問〕三島地域の通称サンタクは、65歳以上の免許証を保有していない方を対象としているが、障がい者は年齢に関係なく、交通弱者で多くの問題点もあるがどのように考えているか。
〔答〕三島ふれあいタクシーについては、地域の協議会を中心に運営されており、利用対象者についても当協議会において判断がされる。
ドライバーは地域の一般住民でもあり高齢者も多いと聞いていることから、障がいの状況によっては乗降への対応が困難な場合も想定されるため、利用対象とする場合は、協議会において慎重に検討がされるものと考える。

〔問〕松野町のデマンドバスの実証実験も始まっているが、予約制のため時間帯の問題もあると思う。観光、医療機関等の移動手段として、近隣自治体との連携も必要と考えるが、近隣自治体との協議は、どのように行っているのか。
〔答〕現在、愛媛県を中心として、近隣市町、観光、学校、病院等の関係者で組織された「愛媛県南予南部交通アクセス向上検討会」により各自治体における地域の実情や公共交通における地域課題について随時意見交換を行い、広域利用ニーズの高い医療機関への移動手段の確保、また広域観光の促進といった共通課題についても、整理を行っている。

◆山本 博士 議員
◇新規事業改質リグニンについて
〔問〕当初の説明では、鬼北町の持出しはゼロ円であると聞いていたが、間違いないのか。
〔答〕まずこの事業で整備する施設は「町の公共施設」として建設するものであり、建設経費および運営経費ともに町で予算化していることから、町の持出しは生じると回答する。
施設用地の造成や建屋整備に係る全体事業費は約20億円を見込んでいる。財源は、国の新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用し、補助率は2分の1、残りの2分の1を起債、過疎対策事業債を借入れすることとしている。その起債償還に係る地方交付税で措置される部分を除いた額が町の実質負担となり、起債借入額約10億円のうち3割の約3億円が町の持出しとなる試算である。
また、施設整備後の運営は、指定管理者制度により施設の運営管理を行う予定であり、年間500万円を上限に運営管理経費を予算計上する予定としている。この運営管理に要する経費についても町の負担となるが、指定管理者は、公共施設を活用して改質リグニン関連事業を行うため、施設使用料を町に納入するため、この部分についての持出しは出ないと考える。

〔問〕資金の流れはどうなっているのか。
〔答〕本事業の施設建設については、2つの国の補助事業を活用する。
1つ目は、農林水産省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)であり、事業費は21億8,500万円。この補助金は、民間企業が国から直接採択を受けて実施するもので、改質リグニンの製造設備が補助対象である。従って、町の予算措置は不要である。
2つ目は、内閣府の新しい地方経済・生活環境創生交付金で、事業費は19億9千984万6千円である。この交付金を活用して、用地造成、施設建屋、木材加工設備、太陽光発電システムおよび蓄電池設備などを整備する。この費用は、町の予算に計上して、PFI方式により特別目的会社と事業契約を締結し、委託料として支出する。施設整備後、稼働可能となった段階では、運営管理費として年間500万円を上限に指定管理者となる特別目的会社へ委託料を支払う予定である。特別目的会社は、町からの委託料と民間資金を合わせて、調査・測量・設計・建設、そして施設の運営管理までを一体的に実施することとなる。

〔問〕株式会社アドバンテックとの契約は、どのようになっているのか。
〔答〕改質リグニン事業に関して、町と株式会社アドバンテックが直接契約を締結する予定はないが、現在、「森林資源を活用した地域循環型産業創出事業に関する協定書」の締結に向けて協議を進めている。この協定書は、相手方の確認を得ており、締結可能な段階まで協議が進んでいる。協定内容は、町と株式会社アドバンテックが連携する事項、役割分担、林業振興への支援、事業用地に関する利用制限など、双方が順守すべき事項を定め、相互に確約するものとなっている。

〔問〕PFI方式を導入するとのことだが、どういった企業が参画されるのか。
〔答〕応募のあったグループは、「鬼北バイオPFIコンソーシアム」という名称で、代表企業は、東京都の株式会社アドバンテック、構成企業は西条市の株式会社クールデザインと、東京都の株式会社木質素研究所である。今後、PFI事業契約に向けて、優先交渉権者が本事業の実施主体となる特別目的会社を設立し、町と特別目的会社が仮契約を締結した後、議会の議決を経て、本契約を締結する運びとなる。

〔問〕鬼北町において、どれほどの経済効果を見込んでいるのか。
〔答〕施設整備段階においては、地元の工事関係者や資材調達に対する需要が発生し、一定の経済効果が期待される。さらに、改質リグニン工場の稼働後は、森林資源を生かした新たな産業の創出につながり、工場の運営に伴う新たな雇用創出、そして移住・定住の促進が見込まれる。林業面においても間伐材や低質材の利用拡大により、林業従事者の所得向上や雇用創出といった効果が期待される。
また、この事業がもたらすのは直接的な経済的効果だけではなく、地域内の商業活動への間接的な波及効果、バイオ由来素材の生産による循環型社会への貢献といった効果も考えられる。加えて、この改質リグニン事業は革新的な技術を有するものであり、今後、全国の自治体や林業事業者などから注目を集める可能性が高く、マスコミ等からの関心も見込まれることから、視察を通じた交流人口の増加や当町の情報発信の機会拡大にもつながると期待している。
なお、現時点においては、金額を伴う具体的な経済効果の算出には至っていない。