くらし 濱田省司の一筆啓上

●県立施設のより自由な運営で 付加価値の高いサービスに
県立美術館など、県が設置する文化施設の運営方式の見直しについて、多くの県民の皆さんからご意見をいただいています。
施設の運営に当たる財団等を県があらかじめ指名する現行のやり方を止めて、公募を行ってオープンに選考することとしたいと考えます。
これとセットで、財団等の施設運営に対する県の規制を抜本的に緩和して、自由度を高めます。
具体的には、財団等が自らの判断で職員の給与を引き上げられるようにするほか、施設運営の結果剰余金が生じた場合にも県への納付を不要とします。
こうした案に対して、「公募方式で営利企業が参入すれば儲け本位となって文化の普及活動が軽視されるのではないか」、「県の財政負担の削減を狙っているのではないか」、といったご心配をいだだきました。実際には、県民や利用者の皆さんに評価される運営が行われていれば、公募での競争となっても財団等が敗れることはないでしょう。
今回の見直しで狙っているのは、財団等の創意工夫を一層引き出すことで、県民や利用者の皆さんに対してより付加価値の高いサービスを提供できるようにすることです。
いま、人口減少の克服に向けて、高付加価値創造型の経済に転換して若者の所得を向上させることが、我が国全体の、そして高知県における急務です。
県立施設でも率先してこの課題に挑戦していきたいと思います。