くらし 9月定例市議会(1)

9月定例市議会が9月1日に開会し、条例案8件、行政案7件、予算案3件、認定12件が審議され、全案がそれぞれ原案どおり可決、認定され、17日に閉会しました。

~市長行政報告(抜粋)~

■土佐市こども条例について
全国的に少子化が進む一方で、いじめや不登校、虐待、貧困、ヤングケアラーなど子どもたちを取り巻く様々な社会問題が顕在化しています。国においては、子どもの権利が保障され、将来にわたって幸せな生活を送ることができる社会の実現を目指し、社会全体で子ども施策を総合的に推進するため、令和5年4月に「こども基本法」が施行されました。
本市においても、「こどもまんなか社会」の実現を主要施策の一つとして、令和6年度から、子どもの権利が将来にわたり保障され、安心して暮らせるまちづくりを推進するため、土佐市こども条例の制定に向けた取組を進めてきました。
条例の策定にあたっては、未来の土佐市を担う子どもたちの声をまっすぐに受け止めることを大切にし、市内の小中学生や高校生を対象としたアンケート調査やワークショップを開催し意見を聴取しました。また、子どもだけでなく大人からも産業祭や健康フェスタにおいて、子どもたちのために自分たちにできることなどのご意見をいただきました。日々の暮らしに根ざした多くの声をいただき、一つひとつの声を丁寧に受け止めながら、条例の理念や仕組みに反映し、「こども条例庁内検討委員会」において条文案を作成いただきました。
条文案は、パブリックコメントの実施とともに市内小中学校長および保育園長、人権擁護委員にもご意見をいただき、「土佐市子ども・子育て支援会議」においてご審議をいただいています。
本条例の基本理念は、子ども一人ひとりを権利の主体として尊重し、一人ひとりの最善の利益を考慮すること、また、子どもの声を聴き、意見を尊重することとしており、前文では、「こどもと創るまち土佐市」をスローガンに掲げました。これは、子どもたちをまちづくりのパートナーとし、行政、市民、保護者、地域、事業者などが一体となって、子どもをまんなかに据えた取組を推進するとともに、子どもたちのアイデアや夢を反映した土佐市を共に創り上げることを目指すものです。
なお、昨年度から開催している、こどもまんなか夢会議を本年8月22日に開催し、市内在住の小学生6名、中学生2名、高校生2名が参加し、「未来の土佐市、こんなまちにしたい」や「土佐市のここが好き、ここをもっと良くしたい」などといったテーマを設定し、グループワーク形式で活発な議論が行われ、大人の視点だけでは気づきにくい意見も数多く出されました。
本市としては、この会議やワークショップなどでいただいた貴重なご意見を各担当課で共有するとともに、今後もこうした機会を継続的に設け、子どもたちの声を直接施策へ具体的に反映する取組や仕組みづくりを進めていきます。
また、条例の効果的な運用を図るため、子どもや市民への周知活動および関係機関との連携強化を図っていきます。

■火葬場整備に向けた進捗状況について
火葬場については、本市において未設置の施設であることから、これまで周辺市町村によって運営されている火葬場にお世話になる状態が続いていました。
本市としても、火葬場は平時から市民生活において必要性の高い施設であり、かつ南海トラフ地震への備えとしても非常に重要な施設となっており、これまで周辺市町村との共同設置や市単独での設置など、検討を重ねてきました。
これまでの行政報告でも申し上げてきたとおり、須崎市に設置されており、現在高幡広域市町村圏事務組合で運営されている「須崎斎場」に関し、本市も運営に関わることが出来ないか本年2月に正式に検討依頼を行い、以後「須崎斎場」運営の主な構成団体である「須崎市」「津野町」と協議を重ねてきたところですが、この度、「須崎市」「津野町」と本市で新たな一部事務組合を立ち上げることとなり、来年4月から火葬場施設などの財産を高幡広域市町村圏事務組合から譲り受けて運営を開始する方向性でまとまりました。

■県が実施施工している「宇佐漁港海岸高潮対策事業」について
現在、宇佐漁港海岸では、南海トラフ地震対策として平成25年度から海岸堤防の嵩上げと耐震補強工事を実施していただいています。
現状の海岸堤防の整備高さについては、事業着手前に宇佐地区の皆様からご意見を伺う中で、まずは段階施工高さでの整備を進めていただいているところです。
整備着手から10年が経過し、段階施工高さでの整備が一定区間進んでいることから、あらためて事業の目的、整備のあり方などについて、各種団体、事業者および住民の皆さんからご意見をいただくために、説明会などを2月から7月にかけて実施しました。その説明会時にいただいたご意見などを踏まえ、今後の海岸堤防の整備高などの整備方針について、県から市へ説明をいただくこととなっています。