- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県飯塚市
- 広報紙名 : 広報いいづか 令和7年3月号
〔テーマ〕バイオシミラーの普及がもたらす医療費軽減について~患者さんや飯塚市の医療財政負担軽減のためにも~
飯塚市立病院 薬剤室
室長 山下(やました) 崇(たかし)
バイオ医薬品と呼ばれるお薬があります。遺伝子組み換えや細胞培養など、最新のバイオテクノロジーを用いて作られた医薬品です。これまで難しいとされていた、がん、関節リウマチ、骨粗しょう症などの治療に使用され、革命的な治療効果をもたらし、医療現場で広く使われるようになりました。
「バイオシミラー」とは、ジェネリック医薬品と同じように先行するバイオ医薬品の特許が切れた後に開発・発売されるお薬で、「バイオ医薬品」のことを表す「バイオ」と、「似ている」という意味の英単語「シミラー」を組み合わせた言葉です。ジェネリック医薬品と同様に、先行するバイオ医薬品と同等の品質、安全性および有効性を有する医薬品です。一方で、バイオシミラーはバイオテクノロジーによって作られるため、先行品とはとても類似しているものの、ごくわずかな違いが生じることがあり、「まったく同じ構造」とは言えませんが、非常に厳しい審査や調査が行われるので、先行品と同様に使用することができます。
バイオ医薬品の開発や製造には、高い技術と最先端の設備が必要で大きなコストがかかります。そのため薬価も高くなり、治療を受けている患者さんにとって医療費負担が大きくなることがあります。また、国民医療費を増加させる原因のひとつにもなります。よって、バイオシミラーの普及は患者さんの医療費負担を軽くするだけでなく、公費負担(国や市町村、健康保険組合などが支払う金額)も軽減されるメリットがあります。
国民皆保険を堅持していくためにはジェネリック医薬品の普及率を上げることはもちろんですが、バイオシミラーの普及も必要です。当院においても、この5~6年で多くのバイオシミラーを採用し、負担削減に取り組んでいます。
※飯塚市立病院よりお願い
・初診の方は、かかりつけ医より紹介状を持参していただくようお願いします。
・正確な薬剤情報や特定健診情報を取得・活用することができる、マイナ保険証の利用にご協力をお願いいたします。