くらし 令和7年度 施政方針(2)

◇子育て支援の推進・安心して産み育てやすい環境づくり
経済的支援、精神的・身体的な支援、こども施策の推進・事業所としての取組を3つのアプロ―チにより実施します。
まず、経済的支援として、第2子以降の保育料無償化を継続します。
次に、精神的・身体的な支援として、病児・病後児や緊急時にも対応できる体制を構築するため、ファミリーサポートセンター事業を強化するとともに、私立保育施設の老朽化対策や定員増のための施設整備等を推進します。
また、民間団体や飯塚市社会福祉協議会と連携して、こども食堂等を運営する団体を支援し、こどもの居場所づくりを推進します。
さらに、こども施策を推進する取組として、こども審議会を設置し、こども施策に関する審議・検討を行う機能を強化するとともに、本市職員の子育て参加促進に向けた特別休暇の拡充と取得を率先して実施することで、市内事業所におけるこどもまんなか社会の実現に向けた取組を推進します。
放課後児童クラブについては、学校や放課後子ども教室事業との連携を図るとともに、遊びや生活の体験を通して、生きるための知恵や他者との関わりを学ぶことができるよう、安全・安心な居場所の充実を第一に取り組みます。

◇障がい者福祉
「第4期飯塚市障がい者計画」に基づき、障がい者が自らの意思に基づき社会のあらゆる活動に参加し、その能力を最大限に発揮して自己実現できるよう支援するとともに、障がい者の社会参加を制約する社会的障壁を除去することに取り組みます。
また、支援を必要とする人が適切な障がい福祉サービスを利用できるよう、制度の周知や相談支援体制の充実に努めます。

◇地域福祉の推進
高齢・障がい・こども・生活困窮の各分野における複雑化・複合化した地域生活課題に対し、相談者に寄り添いながら一体的な支援を行う「飯塚市重層的支援体制整備事業」の実施を含め、市民とともに地域共生社会の実現に努めます。

◇安心して暮らせる地域づくり
生活に困窮した方々への対応については、生活保護制度及び生活困窮者自立支援制度の適切な運用による効果的な支援を実施し、困難を抱える方々に寄り添い、自立促進に向けた丁寧な支援を行います。

■地域経済
◇農林業の振興
農業従事者の減少や高齢化への対応として、認定農業者や新規就農者などの担い手の確保や育成を推進するとともに、令和6年度に策定した「地域計画」の実現に向けて、農地の受け手を幅広く確保し、農地バンクを活用した農地の集積・集約化を図ります。
また、有害鳥獣の捕獲や侵入防止などの対策を講じ、農作物被害の軽減に努めます。
森林の整備については、森林の持つ多面的機能の維持を図るため、荒廃森林及び放置竹林の整備を推進します。

◇地場産業の振興と創業促進・産業の創出
市内大学や立命館アジア太平洋大学との連携を強化し、地元企業や地域における大学生の活躍と地域課題解決の仕組みづくりに取り組むとともに、ブロックチェーンや半導体など先端技術分野での産学連携を進めます。
また、深刻化する労働力不足に直面する中、関係機関との連携のもと、労働力確保に寄与するため、外国人材の活用に関し企業の支援に努めるとともに、海外販路開拓に向けた支援により地域経済の活性化を図ります。
企業誘致については、企業立地用地の整備や確保に取り組むとともに、国、県、大学及び金融機関との連携による半導体関連企業の誘致に取り組みます。
また、人材の確保と定着を図るため、市内事業所の採用力の向上や健康経営等の魅力づくりに取り組むとともに、国の事業などを活用しながら地元中小企業の雇用促進を支援します。

◇公営競技事業
メインスタンドがリニューアルオープンすることから、その効果を最大限に発揮させるため場内イベントを拡充させ、更なる売上の拡大や新規ファンの獲得を図ります。
また、その他の老朽化した施設についても、集客向上のため効果的な活用を検討します。

◇商業の振興
飯塚市新規創業支援資金融資制度により中小企業者の支援に取り組みます。
また、商店街と商工会議所、商工会、タウンマネージャーとの連携による空き店舗対策や各種イベントの実施により、まちなかの魅力向上と情報発信力強化を図るとともに、商店街やイオン穂波店、ゆめタウン飯塚及びカホテラスの大型商業施設が立地する周遊商業エリア間の回遊性を高め、地域経済の好循環を推進します。

◇特産品の振興
優れた製品を「いいづかブランド」として認定し、認定製品の認知度向上や販路拡大に努めるとともに、「日の丸」を初めて染めたといわれる筑前茜染の歴史や文化を伝承し、多くの方々に知っていただけるよう啓発活動に取り組みます。
また、ふるさと納税を通して地場産業の振興・地域経済の活性化を図るとともに、これまで培ってきた情報発信力を活用し、本市の魅力や特産品を全国にPRすることで、移住定住の促進へとつなげます。

◇観光の振興
改定した「第2次飯塚市観光振興基本計画」に基づいた取組を着実に推進し、本市に訪れる交流人口の増加につなげていくとともに、戦略的な観光施策による地域づくりを実現していくための組織となるDMO設立に向けた取組を進めます。

◇就労支援の充実と労働環境の整備
国・県の就労支援機関と連携し中小企業の人材確保支援に取り組むとともに、各種労働問題の解消を図り、安心して働くことができる労働環境の整備を推進します。
また、小学校、中学校、高等学校及び大学との連携による一貫した人材育成を推進するとともに、大学の教育リソースを活用した社会人向けリカレント・リスキル教育に取り組み、グローバル化、ローカル化、デジタル化を柱とした、多様な人材が活躍できる環境づくりを図ります。