くらし なぜなぜ人権ーかけがえのない命が輝くまちづくりをめざして–

■みんなの心が歌でひとつに
福岡県では毎年7月を「同和問題啓発強調月間」と定め、同和問題の解決に向けて啓発を行っています。市は7月17日に「人権のまちづくり市民の集い2025」を開催しました。この集いは、市民一人一人が同和問題をはじめとしたさまざまな人権問題を自分事として認識し、誰もが尊厳を守られ、自分らしく生きることができるまちづくりを目的としたものです。
講師に、歌で差別と闘う「シンガーソングファイター」太田遊人(おおたゆうと)さんを迎え、会場は感動の渦に包まれました。

さらに、太田さんから市民に向けてメッセージを寄稿いただきましたのでご紹介します。

八女市の皆さんこんにちは!シンガーソングファイター遊人(ゆうと)です。
講演の序盤では、不登校時代の話や部落問題に対する意識の変化を話しました。最初は部落差別を「昔の話」「自分には関係ない」と思っていたんですが、身近な人が結婚差別を受け、差別は他人事じゃなく“自分事”なんだと痛感しました。
そこから考えるようになったのは「どう伝えるか」より「どう接するか」の大切さ。子どもたちと遊び、関わり、日常を共にする中で「なんでこの人が差別されるの?」という“気づき”を少しずつ育てています。
講演の終盤では歌で想いを伝えました。マイノリティ※には、伝えられるリアルがある。「部落出身でも夢は叶うよな?」「LGBTQでも大切な人と暮らせるよな?」
─当たり前だろ?そう叫べる世の中になるまで、僕は歌い続けます。シンガーソングファイターとして、歌で闘いながら。
※マイノリティ:社会における少数派であったり、不利な扱いを受けやすい立場の人々や集団のこと

あらゆる人権問題の解決は、一人一人が関心をもち、正しく「知る」ことから始まります。
「知る」にはさまざまな方法があり、現代はインターネット上でもたくさんの情報を入手することができます。しかし、中には差別的な情報や、偏見による誤った情報なども少なくありません。
「知る」うえで何より大切なことは、当事者のおもいに触れることです。実際に当事者の話を聴く、交流するといった体験が、心を動かし、一人一人の中にある差別意識に気づき、差別をなくすための行動を起こすことにつながります。今回の市民の集いは、まさにそのような場になったと思います。

※作詞・作曲:太田遊人「47人」の歌詞は本紙8ページをご覧ください。

問い合わせ:人権・同和政策・男女共同参画推進課
【電話】23-1490