くらし まちのわだい(1)

■「八女福島の燈籠人形」公演
今年の芸題:春景色筑紫潟名島詣(はるげしきちくしがたなじまもうで)

9月20日(土)の口開け公演を皮切りに、21日(日)~23日(火・祝)までの3日間、国指定重要無形民俗文化財「八女福島の燈籠人形」公演が行われました。
「八女福島の燈籠人形」は、三味線や鼓などの囃子(はやし)に合わせて、舞台の左右の楽屋から繰り出す9本の長い棒と舞台下からの操作により、からくり人形を巧みに操ります。江戸時代から約280年にわたり、福島の町で守り受け継がれている、八女の風土と歴史を映す誇り高い民俗芸能です。
最終日の千秋楽公演は、三層二階建の屋台の板や障子が開け放たれる特別な公演で、普段は見ることができない生演奏の様子や、息の合った人形遣いの技に会場中が魅了されました。

▽まつりを彩る人々と八女提灯
毎年、燈籠人形公演にあわせて開催される市の一大イベント『八女のまつり』。
福島の町並みを中心に、地酒や多彩なグルメ、雑貨や縁日などの出店や、各所で体験イベントやマルシェなどが開催され、町全体がまつり一色に染まりました。
県内外からも多くの人が来場し、イベント会場を巡りながらグルメや買い物を楽しむ人たちの姿でにぎわいました。
夕暮れには八女提灯のあかりで町並みがライトアップされ、伝統的な白壁の景観をより一層美しく引き立てました。

■八女上陽まつりでいわい体操
第37回八女上陽まつりが、10月4日(土)・5日(日)の2日間にわたり、上陽町のホタルと石橋の里公園で開催されました。歌やダンス、バンド演奏にフラダンスなど多彩なステージが繰り広げられ、夜には花火が秋の夜空を彩りました。
ステージでは「磐井(いわい)の戦い」からまもなく1500年になることを記念して作られた市オリジナルの「いわい体操」が披露され、会場の皆さんと一緒に楽しみました。

■Aloha Monarch ハワイまつり2025
「Aloha Monarch ハワイまつり」は福岡県とハワイ州の姉妹提携に寄り沿う交流イベントとして2009年にスタートしました。ハワイと深い関わりを持つ八女市上陽町のダニエルイノウエミュージアムで、9月20日(土)・21日(日)の2日間、ハワイとの交流の歴史と、文化を発信する催しが開催されました。マルシェでは、ハワイアンキルトをはじめ、ハワイテイストのマラサダやアサイーボウル、中村学園大学の学生によるクッキーなどが販売され、会場はハワイの雰囲気に包まれました。

■中秋の名月を愛でる観月会
中秋の名月を眺めながら秋の一夜を楽しむ観月会(黒木文化連盟主催)が10月6日(月)、黒木町「学びの館」で催されました。
約100人が見物に訪れ、琴や尺八、ビオラやハーモニカの演奏を聴いたり俳句、吟詠を楽しみました。また、茶席も振る舞われ、美味しい八女茶に舌鼓を打ちながら、秋の一夜を楽しみました。

■歌人菊池剣をしのぶ冬山忌
9月28日(日)、黒木町西上町公民館で黒木町ゆかりの歌人、菊池剣(本名:松尾謙三)の遺徳をしのぶ冬山忌碑前祭が行われました。菊池剣はやまなみ短歌会の創始者で、黒木町に居住し、勤めの傍らに歌を詠み、冊子「やまなみ」の編集者として活躍しました。
式典にはやまなみ短歌会会員、黒木文化連盟会員など市内外から約40人が参加し、冬山の歌を斉唱して遺徳をしのびました。

■五條家御旗祭と安部龍太郎トークセッション
南北朝時代に南朝方の征西将軍懐良親王に従い補佐役として九州に下向した五条頼元を始祖とする五條家ゆかりの宝物を一般公開する「五條家御旗祭」が9月23日(火・祝)、黒木町大淵の五條家で行われました。
当日は、後醍醐天皇から懐良親王に下賜された「金烏(きんう)の御旗(みはた)」などが公開されました。午後からは、げんき館おおぶちで「安部龍太郎 郷土と歴史を語る」と題した直木賞作家安部龍太郎さんと五條家第二十五代当主五條元滋(もとしげ)さんのトークセッションが行われました。