スポーツ 【CLOSE UP】勝利のウラ側 仲間と築く夢と挑戦(2)

◆STAGE2 RYUUNOSUKE IDETA 夢は、箱根
灼熱の太陽が降り注ぐ8月の沖縄。全国の中学生ランナーたちが集結した「全日本中学校陸上競技選手権大会」3000m決勝。天気は一転、激しい雨雲に覆われました。歓声と拍手が渦巻く競技場で、誰よりも速く、誰よりも強く、自らの限界を塗り替えたひとりの中学生がいます。中京中学校3年生の出田隆之助(いでたりゅうのすけ)さん(15歳)です。
レース序盤、彼は慌てることなく、5番手前後で周囲の動きを冷静に見極めていました。終盤に差し掛かる頃、他の選手たちが険しい表情で耐える中、彼の表情にはまだ余裕がありました。そこから一気に加速。気持ちだけは絶対切らさずに、腕を振り続けゴールに向かって突き進むその姿は、輝きに満ちていました。電光掲示板の第1位の欄には、彼の名前と記録8分30秒16が灯りました。
輝かしい成績を収めた彼ですが、中学2年生の頃、大きな挫折を味わいました。怪我で全国大会を棄権。陸上を辞めたいとさえ考えたそうです。しかし、冬に控えていた「全中駅伝」。練習を共にし、励まし、高め合える仲間と走るこの大会が、彼を再び前へと駆り立てたのです。
「喜びもプレッシャーも、仲間と分かち合うことができる駅伝が一番好きです。将来の夢は、憧れの箱根駅伝に出場することです。そのためにも、日々の練習を大切にし、仲間たちを引っ張ってチーム力を上げ、今年の全中駅伝は必ず優勝したいです。そして、自分の走りで監督やコーチ、先生、それから毎日一番近くで支えてくれている家族に恩返しをしたいと思っています」。
彼の勝利のウラ側には、仲間と描く夢や希望、挑戦がありました。これからも目標に向かって、仲間と共に情熱の襷(たすき)を繋ぎます。

◆隆之助って、どんな人? WHAT’S RYUUNOSUKE MADE OF ?
◇HEAD COACH 監督、白石先生
優勝を意識しはじめたのは、2年生の秋からです。彼のストロングポイントは、試合での勝負強さ。しかし、全国大会となると簡単ではありません。そこで今年は、体力面を考慮して試合を限定しました。特に4月の金栗(かなぐり)記念3000m優勝(大会新)、7月の奈良記録会1500m(当時今季中学最高記録)は、圧巻の走りでした。将来は日本を代表する選手に育ってくれたら嬉しいです。最後に、今年最大の目標、全中駅伝をチーム一丸となって獲りたいと思います。

◇FAMILY 母、優子さん
隆之助は、2つ上の姉の影響で小学1年生の頃から陸上を始めました。親から見ても、とにかく負けず嫌いな性格です。練習や試合の送迎、遠征など大変なこともあります。しかし、目標に向かって仲間と高め合っている姿を見ていると、子どもの夢をサポートしたいという気持ちの方が大きく、大変というより応援したい気持ちの方が勝っています。そして、このような気持ちにさせてくれたチームのみんなや息子に感謝でしかありません。

◇MENTOR 恩師、徳永さん
新田原ランナーズで6年間彼を見てきました。向上心があり、貪欲。ON・OFFがしっかりしています。駅伝が大好きで、小学6年生の頃「どうやったら勝てますか?」と私に尋ねに来て、他の子を引っ張っていく姿を見て、強く感心したのを今でも覚えています。“陸上脳”が高く、言ったことを吸収し、レースの中の無駄な動きが少ないのも彼の強みです。まだまだこれから!たくさんの仲間と高め合い、成長していくことを期待しています。

◇TEACHER 担任、別府先生
1年生の頃は、負けず嫌いな性格で教師とぶつかることも。「出田に勝ちたい!」と常に全国から追われる存在で、計り知れないプレッシャーがあったのだと思います。そんな彼には「応援される人間になりなさい」と指導をしてきました。今では真の自信を身につけ、人に優しく、親や指導者へ素直に感謝の気持ちを伝えられるようになりました。最大の強みは、将来のビジョンが明確な点です。夢を現実に!応援しています。

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問合せ:行橋総合公園管理所
【電話】24-4000
【ID】0039413