- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県太宰府市
- 広報紙名 : 広報だざいふ 令和7年6月1日号
ごみ処理場・環境美化センターとごみ収集、それぞれの現場でごみの処理を担う人たちがいます。今回の火災を受けて、日ごろから地域で暮らす市民のために日夜ごみ処理業務に取り組む皆さんに話を聞きました。
・太宰府市環境美化センター管理業者 有限会社LCA太宰府
堀田(ほりた)和宏(かずひろ)さん
・太宰府市委託ごみ収集業者 有限会社太宰府清掃
柏木(かしわぎ)弘和(ひろかず)さん
江川(えがわ)純介(じゅんすけ)さん
・太宰府市委託ごみ収集業者 株式会社アメニティ太宰府
原田(はらだ)脩平(しゅうへい)さん
◆回収する人、捨てる人どちらも気をつける
Q:最近、リチウムイオン電池による火災がありましたが、ほかにも事例はありますか?
A:(江川・柏木)原因は断定できませんが、ごみ収集中の発火はあります。作業員は注意してごみを回収しますが、ごみ袋の中身がすべて見えているわけではありません。それでも、少しでも火災発生の確率を下げられるように気をつけて作業しています。一般の人だと、ごみの出し方を迷うこともあると思います。だからこそ、行政やごみ収集を担う側が正しいごみの出し方を周知していくことが必要ですし、市民の皆さんに知ってもらうことでごみの分別に気をつけてもらえるとありがたいです。
◆地域に広がる脅威
Q:火災事故が起きた場合、どのような影響がありますか?
A:(原田)作業員や住民がケガをするリスクがあります。初期の段階で燃えている箇所をごみ収集車から排出できれば良いのですが、火災が起きた場所によっては難しく、燃え続ける車を走らせたまま消防署に向かうこともあります。ガソリンに引火しないかヒヤヒヤして本当に怖かったです。道路が狭い地域では住宅に被害が及ぶ可能性もあるので、慎重になります。火が出ると、消火のためにごみを道路に広げないといけないこともあり、通行止めにして迷惑をかける場合もあります。
◆施設のごみ処理機能が止まる
Q:太宰府市環境美化センターで火災が起きた時の状況を教えてください
A:(堀田)回収後、ごみを粉々にする破砕機という機械にかけていたところ、混入していたリチウムイオン電池が発火の原因となりました。破砕機にかける前に現場作業員の複数人が目視で確認しますが、どうしても小型の電池は見つけづらく注意していても限界があるのが現状です。今回のように黒い煙が立ち上る光景を見たのは、20年間この仕事をしていて初めてでした。そして、ごみ処理機能は現在も停止したまま、復旧には1年以上がかかりそうです。現代では、さまざまなものに小型の充電式バッテリーが使用されています。あらためて、捨てる時に一度立ち止まって考えて、対象のごみは回収ボックスへ入れて、しっかり分別してもらいたいです。