- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県朝倉市
- 広報紙名 : 広報あさくら 第420号(令和8年2月号)
■ワンヘルスとは?
私たちの健康は、私たち人間だけで成り立っているものではありません。身近な動物や自然環境と深く結びつき、互いに影響し合いながら保たれています。ワンヘルスとは、人の健康、動物の健康、そして環境の健全性を一つのものとして捉え、総合的に守っていこうとする考え方です。
近年、新たな感染症の発生や地球温暖化、環境汚染、生物多様性の損失など、私たちの暮らしを取り巻く課題は複雑化しています。環境の悪化は動植物の健康だけでなく、私たちの生活や食の安全にも影響を及ぼします。このような問題は、人・動物・環境のいずれか一つだけに目を向けても解決することはできません。
■「ワンヘルス推進宣言」
福岡県は、全国に先駆けてワンヘルスの理念を県政の柱に掲げ、積極的な取り組みを進めています。市でも令和5年3月に「朝倉市ワンヘルス推進宣言」を表明しました。今後は福岡県と協力して、ワンヘルス実践施策を積極的に推進していきます。
「福岡県ワンヘルス推進基本条例」では、基本方針として、次の6つを示しています。
◆人獣共通感染症対策
新型コロナウイルスなど、人と動物の双方に感染する人獣共通感染症は、人の感染症の約60%を占めるといわれています。医療、獣医療をはじめ各分野と連携し、発生予防、まん延防止を図ります。
◆薬剤耐性菌対策
「薬剤耐性菌」とは、坑微生物剤に対し抵抗性を獲得した細菌のこと。この細菌による感染症が発生した場合、これまで使用していた薬が効かなくなるなど、治療が困難となります。適切な服薬を推進し、薬剤耐性菌の拡大防止を図ります。
◆環境保護
地球温暖化は、豪雨や台風などさまざまな災害の原因となり、人だけでなく動植物にも大きな影響を及ぼします。生態系を守り、自然環境の保全を図ります。人と動物の共生社会づくり
犬や猫、鳥などのペットは、私たちにとって重要な存在である一方、遺棄や虐待などが社会問題となっています。動物愛護の推進と野生動物の理解と共存を図ります。
◆健康づくり
人の健康は、人や動物が心も体も健やかな状態で過ごすことができる生活環境において育むことができます。自然や動物との触れ合いを通じた健康づくりを推進します。
◆環境と人と動物のより良い関係づくり
「食」は、私たちの健やかな毎日を支える源です。何を食べるのか、食べてはいけないのかといった「食育」を通して、農作物・水産物が作られている環境について関心をもつことも大切なことの一つです。
■私たちにできること
◆人獣共通感染症対策
日頃から手洗いうがいなどの基本的な感染予防を行いましょう。草やぶに入る際は、ダニに気を付けて長袖長ズボンを着用しましょう。
◆薬剤耐性菌対策
薬剤耐性菌の発生を減らすため、処方された抗生物質は途中で服用をやめず、用法用量を守り、最後まで飲みきりましょう。
◆環境保護
地球温暖化対策として、二酸化炭素の排出を抑えるため、自動車利用は避けたり、環境に配慮した商品を率先して利用したりなど、小さなことから気を配りましょう。
◆人と動物の共生社会づくり
飼っている動物には、予防接種や健康診断を受けさせ衛生管理に気を配り、寿命を迎えるまで適切に飼養しましょう。野生動物とは適切な関係を保つため、餌を与えないようにしましょう。
◆健康づくり
季節の変化や生きものの様子に関心を持ちましょう。ハイキングや自然観察会など、身近な自然へ目を向けてみるのもおすすめです。
◆環境と人と動物のより良い関係づくり
福岡県で生産されたものを県内で消費する、地産地消を推進することは、農産物を輸送する距離が短くなりエネルギーとCO2排出量削減につながります。
■比良松中学校の生徒たちがワンヘルスについて学習しました
県内の中学校や高校では、ワンヘルス教育が盛んに行われており、比良松中学校でもワンヘルスについての学習が取り組まれました。生徒たちは人・動物・環境のつながりを調べ、啓発ポスターを作成しました。また、英語スピーチコンテストでは、ワンヘルスの考え方やその大切さを英語で発表し、学びを自分の言葉で表現する力を高めました。
◆ワンヘルスを学習した生徒の感想
○比良松中学校3年 荻野(おぎの)叶望(かなみ)さん
人獣共通感染症についてのポスターを作る中で、人・動物・環境のつながりをより深く考えることができました。スピーチコンテストでは、自然破壊が動物の生活を脅かし、感染症拡大につながることを発表しました。ワンヘルスの大切さを伝える立場として、これからも行動を続けていきたいです。
○比良松中学校3年 東(ひがし)悠汰(ゆうた)さん
私はワンヘルスの活動を通して、人と動物と環境がお互いに支え合って成り立っていることを学ぶことができました。人にとってだけ良い、または動物にだけ良いではなく、三者それぞれが幸せに暮らすために互いを思いやり、尊重していくことが大切だと思います。少しでも多くの人にこの思いを共感してもらえるよう行動していきます。
問合せ:市環境課
【電話】28-7143
