くらし (特集)雨の季節にこそ知りたい いのちを守る「水」と「防災」のこと(2)

防災スペシャリストに聞く!災害への備え

■早めの避難が命を守る大雨に備える心構え
これからは、梅雨や台風シーズンなど雨が多くなる季節。6月から10月にかけては「出水期」と呼ばれ、大雨による災害が起こりやすくなります。近年はゲリラ豪雨や線状降水帯の影響で、1時間に100mmを超える激しい雨が降ることも増えています。
大雨はある程度予測できるため、日頃の備えが被害を最小限に抑えるカギです。水害・土砂災害から命を守るには、「早めに逃げること」が何より大切。志免町の防災スペシャリストである防災管理監の菊武さんに災害への備えについて話を聞きました。

〇志免町防災管理監 菊武稲男さん
志免町の防災指導をしています
(Profile)
生まれも育ちも志免町の菊武さん。42年間にわたり消防士としてさまざまな災害を経験し、現在は防災管理監7年目。防災講座で命の大切さを伝え、防災の計画にも関わるなど、地域の安全を支え続けています。

■知っておきたい防災(イ)(ロ)(ハ)
(イ)5段階の警戒レベル

※1 市町村が災害の状況を確実に把握できるものではない等の理由から警戒レベル5は必ず発令されるものではない。
※2 警戒レベル3は、高齢者等以外の人も必要に応じ、普段の行動を見合わせ始めたり危険を感じたら自主的に避難するタイミングである。
(注)警戒レベル3以上は市町村が発令する。

水害や土砂災害などの恐れがある場合、避難するタイミングの指標となるのが「5段階の警戒レベル」。警戒レベルが発令された際は、状況に応じて適切に避難することが重要です。
特に大切なのは、危険を感じたらすぐに避難すること。局地的な豪雨などの突発的な異常気象では、町からの避難情報が間に合わないこともあります。そのため身の危険を感じたら、警戒レベルを待たず自主的に安全な場所へ避難してください。早めの行動で命を守りましょう。

「志免町の避難所には、プライバシーに配慮した間仕切りテントなどを準備しています。早めの判断で安全に避難しましょう!」

(ロ)ハザードマップ
まずはハザードマップで自宅を探し、自宅周辺の災害リスクを把握しましょう。想定される浸水の深さや土砂災害の可能性がある場所を確認しておくことが大切です。
次に、自宅最寄りの避難所と避難経路をチェックしましょう。浸水が想定される区域や蓋のない側溝などの危険箇所をあらかじめ把握することで、万が一の際にも冷静に行動でき、より安全に避難できます。
また、土砂災害警戒区域などの新たな指定に向けて、志免町でも福岡県による調査などが行われています。詳細については、町のホームページをご覧ください。

「ハザードマップは命を守る手引書。災害リスクや避難情報などが載っているので、この特集をきっかけに手に取ってみてください!」

(ハ)防災情報の収集方法
〇志免町防災・防犯情報
志免町のホームページで地域の防災活動や防犯の新着情報を随時更新中!志免町防災気象情報や、災害時に役立つリアルタイムのデータ提供サイトも紹介しています。

〇防災無線
防災無線を通して、情報をいち早く正確にお知らせします。防災無線の内容が聞き取れなかった場合、電話や志免町のホームページで放送内容を確認することができます。重要な情報を聞き逃さないために、ぜひご活用ください。
【電話】0120-8982-19

〇dボタン広報誌
KBC九州朝日放送(地上デジタル1チャンネル)のdボタンで志免町の情報を確認できます。テレビがあれば、簡単なリモコン操作で情報を入手可能!町のお知らせに加え、災害時における緊急情報もチェックできます。
入手方法は、16ページをご覧ください。(※本紙をご覧ください)

〇防災ナビまもるくん
登録した住所地の防災情報や、最寄りの避難所を確認できる防災アプリです。気象情報や避難所の開設状況などをチェックでき、災害への備えに役立ちます。

〇志免町公式LINE
平時はハザードマップや気象情報を、災害発生時にはタイムリーな避難所開設情報や混雑状況を確認できます。ぜひLINEから友だち登録をお願いします。

「災害時の情報収集は、避難の判断基準になる重要な要素。どんな情報が収集でき、どのツールが自分に合うか見直しましょう。」

■志免町の過去の災害
忘れられない大雨とその被害。過去から学ぶ防災の大切さ

〇平成15年7月大雨
7月19日、宇美川上流で約100mmの豪雨が2時間続き、甚大な被害をもたらしました。志免町では、吉原橋上流の堤防が決壊し、床上浸水190世帯、床下浸水259世帯の被害が発生。その後、川幅拡張などの河川改修工事が行われました。

〇平成21年7月大雨
7月24日から26日にかけて梅雨前線の活動が活発化し、中国地方や九州北部で記録的な大雨が発生。24日の夕方には博多(福岡空港)で1時間に116mmの大雨を記録。志免町では、床上浸水52世帯、床下浸水164世帯の被害となりました。

募集中!
平成15年の大雨では、自衛隊が災害派遣され、住民支援にあたりました。現在、自衛隊では、その一員となる一般曹候補生、自衛官候補生、航空学生を募集しています。
※募集内容などは17ページをご覧ください(※本紙をご覧ください)

■1泊2日の防災キャンプレポート
令和6年、町内の小学5年生が「防災キャンプ」を行いました。体育館にテントを設営して非常食を食べ、菊武さんの出前講座を受けて…。
子どもたちは友情を深めながら、防災について考える良いきっかけになりました。

■災害に備える!防災出前講座
町では、防災意識の向上を図るため防災出前講座を実施中です。菊武さんが講師となり、災害時の心構えや身を守る方法を伝えています。依頼があれば、各町内会どこでも開催可能ですので、気軽に相談ください。