くらし (特集)#観光アンバサダーになってみた。(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県吉野ヶ里町
- 広報紙名 : 広報よしのがり 2025年4月号
「観光大使」というと、著名人が大々的に就任するイメージがありますが、「吉野ヶ里町観光アンバサダー」(アンバサダーは「大使」の意味)は、誰でも気軽になれる“町の広告塔”です。令和6年度は30~50代を中心に30人が就任し、150件以上(令和7年2月末時点)もの投稿で町をPRしてくれました。
今月の特集では、アンバサダーの皆さんの投稿を一部紹介するとともに、4人のアンバサダーに活動への思いを尋ねました。町を愛する気持ちがあれば、アンバサダーの資格有り!あなたが知っている何気ない風景が、吉野ヶ里町をバズらせるかもしれません。
■みんなで魅力の発掘と共有を
木村英喜さん(64)(吉野ヶ里町)
(report)
中学まで過ごしたふるさと・吉野ヶ里町に帰ってきたのは4年前。幼少期には土の中から土器や黒曜石を掘り出して遊んだ記憶もあり、歴史あふれるところがこの町の魅力だと思います。しかし、その魅力が広まっていないことにもどかしさも感じていたので、「自分が町の魅力を掘り起こして発信したい」との思いからアンバサダーに立候補しました。
投稿時には、いろいろな角度・視点から撮影し、アップするようにしています。何に対して関心を持つかは人それぞれですし、その場の空気感を大切に伝えたいからです。アンバサダーになってから、知り合いに「投稿を見たよ」と声を掛けてもらうことが増えました。恥ずかしさもありますが、自分の活動で町のファンが増えてくれたらうれしいです。
アンバサダー活動をしていると、魅力発信に関するアイデアがどんどん湧いてくるようになりました。例えば、「昔と今の街並みを比較できる『街歩きマップ』があったら面白そうだ」など、さまざまな考えが巡ります。吉野ヶ里町は、まだまだ魅力が眠っている町。皆で魅力を見つけて共有できたら楽しいし、町がもっと盛り上がると思います。
■町の人たちの思いをくみ取って
中溝文香さん(40)(佐賀市)
(report)
上は高校生、下は2歳までの子ども5人を育てています。子育て世代の「あるある」だと思いますが、子どもを連れて遊びに行けるお出かけ情報をキャッチするのがいつも大変です。検索してもヒットしません。「他のママたちもきっと困っているはずだ」と思い、発信する側になるためアンバサダーになりました。
とはいえ、「自分がしなきゃ」という使命感はありません。単に楽しいことが好きなだけなので、子どもと遊びながらついでに投稿もする、という感覚です。撮影も家族が手伝ってくれるので、家族目線の自然な表情で撮れています。お気に入りの投稿は、吉野ヶ里歴史公園で撮った動画。冬でしたが公園で借りた弥生人風衣装に着替え、保温インナーと息子から借りた短パンを仕込んで寒さに耐えました。撮影時に火おこしなども体験したので、友人へ「吉野ヶ里町でこんな遊びができるよ」と話題にすることが増えました。
私は佐賀市在住ですが、アンバサダーになったことで吉野ヶ里町の人たちとよく話すようになりました。町に関わる人々の思いをくみ取ること。それがあるとないとでは、投稿する内容にずいぶん違いがあると思います。
■自分の思い写真を通して
yokoyokoさん(59)(吉野ヶ里町)
(report)
もともと写真撮影が趣味で、水路に映る朝焼けや、好きな形の樹木など「知る人ぞ知る」ような場所を撮ることが多いです。吉野ヶ里町に住んで6年目になりますが、撮影スポットを探すためによく地図を見ています。今回、観光アンバサダーになれると知り、「町の良い場所を発信してみたい!」と思って手を挙げました。
お気に入りの投稿は、ブルーインパルスが吉野ヶ里歴史公園上空を飛んだ際に、遺跡と一緒に撮った写真。戦闘機の編隊飛行やコックピットの撮影が好きなので、「きっと二度と見られない景色」と思うと特に思い入れがあります。他には、同園のイベント「光の響」で撮った、柔らかな彩りのライトアップと物見櫓、夕焼けのコラボレーションも好きな一枚です。夕暮れならではの色合いをぜひ見てほしいです。
たった一枚の投稿でも、いろんな構図を試しながら、たくさんの枚数を撮影します。その中から選ぶ基準は「伝えたいものが伝わる」かどうか。美しさや格好良さ。自分が感じたものに対して、写真を通して共感してもらえたらいいなと思いながら投稿しています。マイナーな場所でも、「見たことある!」など反応がもらえるとうれしくなります。
■これからの時代SNSを超えるツールない
井上仁成さん(30)(佐賀市)
(report)
佐賀発のインフルエンサー「じんせー」として6年前から活動し、TikTokを中心にSNSの累計フォロワー数が10万人を超えました。最初は「皆を笑わせたい」という遊び心でスタートしましたが、活動を続けるうちに佐賀県の知名度の無さが気にかかり、「もっと佐賀の魅力を発信したい」と思うようになりました。吉野ヶ里町の観光アンバサダーも「俺しかいない!」と思ったので、もちろん応募しました。
SNSの特性やユーザーの好みに合わせた構成・編集が、僕の投稿の持ち味です。YouTuber釣りよかでしょう。さんの「海鮮丼屋」を紹介した動画は10万回以上再生してもらえ、アンバサダーとして少しは貢献できているかな?と感じています。僕としては吉野ヶ里歴史公園で撮影した動画もイチオシなので、ぜひ見てください。
アンバサダーになる前、佐賀をPRするために全国を一周しましたが、知名度の低さに危機感すら覚えました。これからの時代、佐賀県や吉野ヶ里町が全国に向けて発信するのにSNS以上のツールはないと思います。魅力をゼロから新しく作り上げる必要はありません。既にある魅力に目を向けながら、上手にPRにつなげていってほしいです。
※詳しくは本紙をご覧ください