- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県
- 広報紙名 : つたえる県ながさき 第118号(令和8年2月号)
長崎県では、「貨物船」「フェリー」「漁船」「作業船」「特殊船」「艦艇」などのさまざまな船が、古くは江戸時代から現在に至るまで数多く造られています。
また世界的な洋上風力発電の需要の高まりに合わせて、造船業で培ってきた技術を生かし、洋上風力発電分野への参入に取り組むなど、長崎県では海に関するものづくりが盛んになってきています。
今回は、今後ますます成長が期待される造船関連産業・洋上風力関連産業についてご紹介します。
■県内製造業の状況
長崎県は製造業(ものづくり)が盛んで、中でも造船を含む輸送用機械器具の製造品出荷額の割合が高い状況です。
◇県内総生産
・県内総生産※1の内訳を見てみると…
製造業が7,778億円で全産業の16.7%を占めています。
※1 国のGDPに当たるもので、県内の生産活動により新たに付加された価値(付加価値)の合計された価値(付加価値)の合計

出典:令和4年度長崎県県民経済計算
◇製造品出荷額
・県内の製造品出荷額※2の内訳を見てみると…
造船業を主とする「輸送用機械器具」が22.9%を占めています。
※2 企業が所有する原材料によって製造されたものの出荷額の合計

出典:2024年経済構造実態調査
※端数処理の関係で、内訳の和が総額と合わないことがあります
■造船関連産業
◆最近の動き
・世界中で環境対応船の需要が高まる!
国際海事機関(IMO)で「2050年頃までに国際海運からの温室効果ガス(GHG)排出ゼロ」の目標が合意され、世界中でカーボンニュートラル※の動きが加速し、環境対応船の需要が高まっています。
※カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、温室効果ガスの排出量を実質ゼロに抑えること
・国内では造船業の建造能力倍増を目指す!
国において造船を成長分野の一つとして位置付け、日本の建造能力倍増に向けた支援策強化が検討されており、官民一体で造船業のさらなる成長に向けた取り組みが進められています。

◆県の取り組み
県内では、大手造船所と約150社の中小企業がサプライチェーン※を形成し、地域の経済や雇用を支えています。
県では、長崎県が日本の造船業をけん引する拠点となるよう、サプライチェーンの強靭化に向け、市場が拡大する造船関連産業のさらなる需要の獲得を支援しています。
※サプライチェーン:原材料や部品の調達から製造・流通に至るまでの一連の流れを組むネットワーク
▽企業への支援
新たな県外需要の獲得を図るため、設備導入などを支援しています。
・支援を受けた企業の声 石田エンジニアリング株式会社
当社は県内企業と連携し、造船における配管の設計から加工、取り付けまでを一貫して手掛けています。
環境対応船に使用されるLNG(液化天然ガス)などの燃料は、極低温で管理する必要があり、従来の重油燃料船とは異なる新たな配管の製造技術が求められます。こうした変化への対応は、造船現場にとって大きな挑戦です。県の支援を受けながら設備投資を進め、生産体制を強化し、新たな需要の獲得を目指します。
▽造船業の振興に関する国への要望
国内での動きを受け、昨年10月30日に国土交通省、経済産業省、防衛省に対し造船業の振興に関する要望を行いました。長崎県のサプライチェーンで培った高い技術力が国策に寄与するということを示し、設備投資や人材の確保・育成に対する支援の充実・強化を要望しました。
