くらし 《県政特集》災害を防ぎ、災害に備える(1)

近年、気候変動の影響により災害の激甚化・頻発化が懸念されており、自然災害の脅威が身近に迫っています。
本県では、災害に強い長崎県を実現するため、「みんなで取り組む災害に強い長崎県づくり条例」を定め、県民・事業者・県・市町・防災機関がそれぞれの役割の中で、助け合いながら、防災・減災対策を推進しています。

■施設整備による防災対策
▽洪水対策
河川の氾濫を防ぐため、川幅を広げるなどの河川改修事業を進めており、今年度は30河川で事業を実施しています。また、河川整備と組み合わせたダムの整備や堆積した土砂の浚渫(しゅんせつ)※、樹木の除去作業も県内各地で計画的に進めています。
※河底の土砂などを掘削すること

[佐世保市の日野川河川改修工事]
※詳しくは本紙をご覧ください。

▽土砂災害対策
土砂災害による被害を未然に防止・軽減するため、土石流を防ぐ砂防堰堤(えんてい)や崖崩れを防ぐ法面(のりめん)などの施設を整備する事業を県内各地で実施しています。

[諫早市の崎ノ谷川砂防堰堤整備工事]
※詳しくは本紙をご覧ください。

問合せ:
県の河川課【電話】095-823-3280
県の砂防課【電話】095-894-3076

■避難の大切さ
災害から命を守るためには、安全な場所へ避難することが何よりも重要です。普段から避難場所、避難ルートを確認して災害に備えておきましょう。

■具体的な避難行動
学校や公民館に避難することだけが避難行動ではありません。「避難」とは「難」を「避」けること、状況に応じてさまざまな避難行動があります。いざという時に想定される4つの行動を紹介します。

(1)行政が指定した避難場所への避難
避難所への避難の際には、避難者の生活に必要なものを持参しましょう。

(2)安全な親戚・知人宅への避難
普段から避難することを相談しておきましょう。避難場所の安全確認にはハザードマップを活用しましょう。

(3)安全なホテル・旅館への避難
事前の予約・確認や宿泊料が必要です。避難場所の安全確認にはハザードマップを活用しましょう。

(4)屋内での安全確保
土砂災害の危険がない区域にある水害に耐えうる木造以外の建物で、居室が浸水深より高く、水・食料などの備えが十分な場合は、その場にとどまることも選択肢の一つになり得ます。

◇[TOPICS] 災害の教訓を生かして、大規模災害でも死傷者ゼロ
昭和57年7月23日、長崎県中部から南部に停滞した梅雨前線が、翌日までに572mmの降雨をもたらし、土石流や崖崩れなどが各地で発生しました。この「長崎大水害」は、多くの犠牲者と被害が発生する未曽有の大規模災害となりました。
長崎市内の山川河内(さんぜんごうち)地区では、大昔に土石流災害が起こり、その犠牲者の供養と災害の教訓を後世に伝えるために、「念仏講まんじゅう配り」を行っていたため、長崎大水害の際には、家屋に甚大な被害が出る中、住民の多くが早めの避難を行い、死傷者が出ませんでした。
山川河内地区の「念仏講まんじゅう配り」は、取り組みを通して、実際の災害時の犠牲を防げたことが評価され「NIPPON防災資産」に認定されました。

■避難情報の発令
大雨や台風などで災害が発生する恐れがある場合、皆さんを災害から守り、被害拡大を防ぐため、各市町から避難情報が発令されます。避難情報は防災行政無線などを通じて周知されます。

「避難のタイミングと避難場所を事前に確認せんば。」

問合せ:県の防災企画課
【電話】095-895-2143