くらし [特集]安全・安心な水を届けるために(2)

■持続可能な上下水道の未来に向けて
当たり前のように使っている上下水道には、多くの人が関わり、いろんな取り組みを行っています。しかし、これらの取り組みの財源となる料金収入は人口減少などにより年々減少しています。その一方、長崎市に多い斜面地にも水を届け、汚水を処理するためにはたくさんの施設が必要で、それらの維持に必要な経費は年々上昇していて、経営は厳しさを増しています。

・給水人口と料金収入の推移

●長崎市の上下水道をとりまく今
▽料金収入の減少・コスト増加
効率的な上下水道運営が求められています

▽施設の老朽化
高度経済成長期に整備した施設が老朽化しています

▽災害リスクの増加
災害に備えた強い施設を整備する必要があります

●上下水道を未来へつなげるために
これからの長崎市の上下水道が進むべき道しるべとして、「長崎市上下水道事業マスタープラン2025」を策定しました。生活に不可欠な水道を将来にわたって安定的に運営していくために、さまざまな取り組みを進めていきます。

■未来に向けて発展を続けます
▽健全で効率的な事業運営
国からの補助金を活用しながら、長与町と共同で新たな浄水場を整備することなどで建設・維持管理のコストを削減します。さらに、周辺市町村や民間事業者との連携、ドローンなどの最新技術も取り入れ、効率的に施設の維持管理や更新を進めていきます。
「ドローンなら橋の下にある上下水道管も調査できるね!」

■災害などにも負けない強い上下水道を目指します
▽水道施設の計画的更新
水道管の耐震化や破損対策に加え、A(I人工知能)を活用した水道管の効率的な調査方法を研究し、漏水の早期発見に努めます。また、施設更新の際には、人口減少などを見込み、施設の統廃合や水道管の口径を小さくするなど費用の削減に取り組みます。
「新しい水道管に取り替えているよ!」

▽下水道施設の計画的更新
更新や点検、整備を適切に行い、施設を長く使えるよう工夫しています。また、埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損に起因すると考えられる道路陥没を受け、特に生活への影響が大きい場所についても、自主的に点検・調査を行っています。
「事故を未然に防いでいるんだね!」

■安全・安心な水を届けます
▽水の安全性の維持
水質検査の正確さと信頼性を保証する「水道GLP」という認定を取得し、水質の分析技術の向上に取り組んでいます。また、有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))などの新たな化学物質の検査にも取り組んでいて、令和6年度の検査では、水質に問題はありませんでした。
「安心して水を使うことができるね!」

■マンホールの役割って?
路上のマンホールは下水道管の点検や清掃などをするための出入口です。市内には、いろんなデザインのマンホールの蓋があり、有名な漫画の弱虫ペダルやポケモンとコラボしたデザインもあります。皆さんもお気に入りのマンホールの蓋を探してみてください。場所は地図情報サービス「ながさきマップ」で確認できます。

■日本で3番目にできた長崎の水道
横浜、函館に続いて、明治24年に日本で3番目に近代水道が導入されました。長崎は大きな河川がないため、本河内にダムを造って水を確保する日本初のダム式の水道です。今も一部現役で稼働しています。

■水道水はミネラルウォーターよりお得
1円分の水道水は、500mlのペットボトルに換算すると約8本分相当で、一般的なミネラルウォーターより、とてもお得です。もちろん、匂いや味、安全性も検査しているのでおいしく飲むことができます。

問合せ:上下水道局総務課
【電話】829-1203