- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県島原市
- 広報紙名 : 広報しまばら 令和7年7月号
■釣り竿を持った『河童』?伝説はこうして生まれた
今月は「河童」にまつわる伝説を紹介します。
雲仙市千々石町の温泉神社へ行くと、神社の横を流れる千々石川の中に“釣りをしている河童”がいます。なぜこの場所に河童がいるのでしょうか?その答えを探るヒントは“河童が座っている大きな石と川”にあります。
その昔、この温泉神社の辺りが海岸だったという言い伝えがあります。ある時、四面宮(現在の温泉神社)が千々石に鎮座される際、この辺りで地元の人がお祝いの魚を釣ろうとしましたが、なかなか釣れませんでした。地元の人が困っていたところ、そこに老夫婦が現れ、近くにあった大きな石に腰をかけて、次々にチン(黒鯛)を釣り上げたそうです。老夫婦は、釣り上げたチンを「神社のお供え物に使いなさい」と地元の人に渡し、去っていきました。その後ろ姿が何とも河童に似ていたそうです。この伝説がきっかけとなり、現在、この大きな石の上には“河童の石像”が置かれています。
河童が座っている大きな石は、千々石川が運んだ雲仙火山の溶岩です。島原半島に火山がなければ、そして千々石川がなければ、河童の伝説は生まれなかったことでしょう。
問合せ先:島原半島ジオパーク協議会
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