くらし 私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー

■五島市に暮らすいろんな人のオススメ本を紹介するコーナー
私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー

▼19冊目
ⅿijoka nalu 喫茶室 美容室
内川友子さん 内川弘喜さん

(友子さん)
京都市出身、京都でも家族経営の飲食店を営んでいました。21年続けたそのお店も結婚をきっかけに一旦休ませていただきました。その後、五島へ移住しました。きっかけは夫が奈留出身だったからです。五島に来て夕陽の奇麗さに驚いたことを覚えています。
(弘喜さん)
奈留町出身、学生時代はとにかく早く奈留から出たいという思いがあり、高校を卒業後は大阪の美容関係の専門学校に行きました。その後は京都で美容室を開き、34年続けました。そんな中、このまま京都に骨を埋めていいのかと思い始め、五島への移住を決めました。

五島でお店を始めて2年、mijoka naluの「nalu」はマウイ語で「波」という意味の言葉です。細々と長くやっていきたいという思いを込めています。もちろん奈留にもかかっています。
移住してすぐの私たちを温かく受け入れてくれた五島の皆さまとの交流の輪を広げて、今後も楽しくお店を続けたいと思います。

▼内川さんたちのとっておき
移住前、通勤11分の電車で読む本を探して出会いました。
私たちも食事というイベントが大好きですので、食を愉しみ、美食を求めて旅に出るこのエッセイにはまり、2人でこの本を持って旅に出たこともあります。
目の前の料理に思いをめぐらすと、土地の食文化を知ることができて豊かな気持ちになる、素敵な心を教えてくれる1冊です。

○ひさしぶりの海苔弁
平松洋子 著/安西水丸 絵(文春文庫)
食文化と暮らしをテーマにした短編エッセイ集です。冒頭1行の語りで引き込まれ、読みながら栄養補給ができるような1冊です。
春は竹の子ステーキ、初夏には茗荷、サンマで秋を感じて季節に感謝する。また、油揚げは人格者、なすは肉など、独特の表現で美味なる世界が展開していきます。
旅先の絶品料理については、食文化と心のこもった作り手の気持ちを中心に話が進みます。
暮らしと密接してる食。ひさしぶりの海苔弁がなぜ美味しいのか。ぜひ読んでみてください。

こちらの本は市立図書館で借りられます。