- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県南島原市
- 広報紙名 : 広報南島原 令和7年4月号
■金箔瓦~日野江城跡(北有馬町)~
有馬家当主の有馬晴信は、豊臣秀吉の九州平定に従い領土を与えられ、南蛮貿易によって多くの富を得て、時の権力者とも良好な関係を築きました。秀吉とはキリスト教弾圧の中、キリスト教の教育の場セミナリヨで学んだ天正遣欧少年使節団の謁見を許され、徳川家康とも晴信の嫡男と家康のひ孫が結婚するなど、深い関係がありました。
平成10年に有馬晴信の居城であった日野江城跡で実施した発掘調査では、金箔瓦が出土しました。金箔瓦といえば、織田信長が築城した安土城、豊臣秀吉が築城した大坂城が有名です。
安土城と大阪城の金箔瓦には、一部に金箔が貼られていましたが、日野江城跡から出土した金箔瓦には、周縁を除く全面に金箔が貼られており、安土城や大阪城とは異なる金箔押しの技法が用いられていました。
発掘調査の結果を踏まえて、有馬晴信の時代に使用された可能性が高いと考えられる金箔瓦が、わずか4万石の小大名の居城から出土したことは、金箔瓦の使用事例に一石を投じただけでなく、有馬氏、特に有馬晴信の独自性を研究する上でも欠かすことのできない重要な発見であったといえるでしょう。
▽4月~5月の小企画
日時:4月2日(水)~5月31日(土)午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※休館日…火曜
場所:深江埋蔵文化財・噴火災害資料館
料金:
・一般…200円
・高校生…150円
・中学生以下…無料
※団体割引あり
※企画展は入館料のみでご覧いただけます。
問合せ:文化財課(南有馬庁舎)
【電話】73-6705